請願

 

第165回国会 請願の要旨

新件番号 519 件名 介護療養病床の全廃、医療療養病床の大幅削減に反対し、療養・介護の環境及びサービスの整備・拡充を行うことに関する請願
要旨  政府・与党は、通常国会に医療制度改革法案を提出した。関連法案として、現在三八万床ある療養病床(医療療養病床二五万床、介護療養病床一三万床)を、二〇一二年までに一五万床まで廃止・削減(介護療養病床一三万床全廃、医療療養病床一〇万床削減)する法案を提出した。現在、特別養護老人ホームの待機者数が三四万人にも上っているにもかかわらず、療養病床を二三万床削減することは、高齢化が進む日本社会で医療や介護を必要とする患者・利用者から療養し介護を受ける場を奪うものであり、更なる介護難民、療養難民を生み出す。厚労省や自民党などは、社会的入院を是正するとしているが、社会的入院の是正の名の下に、二三万もの療養病床の削減が許されるものではない。しかも社会的入院の背景には、一九七〇年代からの低福祉政策の中で、必要な高齢者介護・福祉施設づくりを怠ってきたことがあり、「自宅に帰れない」「施設不足で入所できない」という人をつくっておきながら、療養病床廃止・削減で退院・退所を強制し、「後の行き先は自己責任で」というのは行政の責任放棄以外の何ものでもない。今後の高齢化の進展で、独居や高齢者世帯の増加が予想されるにもかかわらず、療養病床の削減は重大な社会問題である。療養病床を廃止・削減する法律は直ちに撤回し、療養・介護の環境及びサービスを整備・拡充することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、療養病床の廃止・削減を行わないこと。
二、特別養護老人ホームを増設すること。
三、在宅介護サービスを充実すること。

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