請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 2324 件名 公共事業における労働者と中小業者の仕事と適正な収入の確保等に関する請願
要旨  二○○五年、福岡西方沖地震を始め、梅雨前線や相次ぐ台風の上陸による災害が発生し、多くの尊い命と財産が犠牲になった。私たちの国土は、地震や噴火、風水害が発生しやすく、さらに地球温暖化と市街地再開発などの影響で、都心の気温上昇、豪雨水害などが発生しており、これらに対する防災対策が急がれる。一方、建設業界においては、長期に及ぶ不況による市場の縮小と競争の激化によって、採算無視の指し値発注や下請代金・賃金の切下げ・不払などが横行し、業者・労働者が倒産、夜逃げ、賃金不払、自殺に追い込まれる深刻な事態に陥っている。また、深刻になっているアスベスト被害の対策について、早急な対応が求められている。国民の安全を保障する防災対策、暮らしの基礎となる環境保全事業、住民生活向上につながる公共事業を求めると同時に、現場で働く労働者の公正な賃金・労働条件を確保し、地域経済を支える建設業者が適切な収入を確保できるよう、対策を求める。良質な社会資本の整備と公共施設の維持管理及び公正な事業執行ができるよう、国・地方自治体、その他発注機関、職場の体制を充実するよう強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、公共事業を防災、生活、環境保全優先に転換するために
 1 アスベストの飛散防止や適切な処理方法を早急に確立するとともにアスベスト曝露(ばくろ)に伴う健康被害を防ぐこと。じん肺・アスベスト被害者の労働災害認定基準を大幅に緩和し、すべての被害者を補償すること。
二、公共事業において、労働者と中小業者の仕事と適正な収入を確保するために
 1 公契約法(公共事業における賃金等確保法)の制定など法体系を整備すること。
 2 労働者送出事業(建設業務労働者就労機会確保事業)により不当に建設労働者の賃金を始めとする労働条件が悪化しないような措置を講ずること。

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