請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 2091 件名 金融商品取引法に関する請願
要旨  「金融商品取引法案」について、政府は、投資者保護のための横断的法制を整備し、利用者保護ルールの徹底と利用者保護の向上を目的とした法改正であると説明している。しかし、法案の内容は、現行証券取引法のうち、公開買付制度、証券取引所の組織、有価証券虚偽記載の法的刑の引上げなどの改正を行っただけで、消費者保護に関する法的規制はほとんど手付かずのままに置かれている。法の名称が証券取引法から金融商品取引法に変更になったのは、法律の基本的性格が変わったからではなく、証券を金融商品と置き換えたに過ぎない。法案の基本的性格は、現行の証券取引法を引き継いで、事業者と取引所の組織や業務等を規定した業法であることに変わりない。銀行融資については、「貸金業規制法」の規制からも除外され、全く法的規制がないため、バブル期に銀行は融資拡大のため、顧客の要請もないのに、押し掛け、相続税対策などの名目で、変額保険、不動産投資など様々な提案融資を行い、未曾有(みぞう)の銀行被害を生み出した。過剰融資や不招請勧誘を禁止していたならば、このような銀行被害の多発は防止された。また、被害が発生しても、イギリスのオンブズマンのような金融紛争処理解決機構が設置されていれば、公正で迅速、妥当な解決が図られ、銀行被害者も今日のような悲惨な状況に追い込まれることはなかった。
 ついては、消費者保護に実効性のある立法化のため、現実に起きている消費者被害の現状から出発し、(一)銀行融資、保険を含めた包括的な金融取引であること(二)消費者被害の温床となっている不招請勧誘を禁止すること(三)消費者金融で禁止されている過剰融資、過剰販売を禁止すること(四)イギリスのオンブズマンのような金融紛争解決機構が紛争解決に当たれる制度を盛り込んだ「金融消費者保護法=金融サービス市場法」を制定されたい。

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