請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 1808 件名 出入国管理及び難民認定法改定案の廃案に関する請願
要旨  外国人登録法に基づく外国人への指紋押捺(おうなつ)制度は、在日コリアン、在日中国人ら在日外国人の闘いによって、二○○○年四月一日に全廃された。今国会に上程されている「出入国管理及び難民認定法改定案」は、この経過を何ら教訓とすることなく、テロの未然防止のためとして、入管法に基づいて外国人指紋制度を復活させようとしている。かつての外国人登録法の指紋制度は、在日コリアンや在日中国人について監視を必要とする危険な存在としてきた。この姿勢と制度が人種差別をも助長してきた。入管法改定案の外国人指紋制度も、外国人を危険な存在としてとらえ、監視する対象としている。日本人や特別永住者には求めない上陸時の指紋と顔画像などの電子情報を、他のすべての外国人に求める改定案は、外国人をテロリスト、犯罪者とする人種主義・人種差別・外国人嫌悪を扇動するものとなっている。さらに、最も高度な個人情報である指紋という生体情報を、電子情報として実質的に無期限に保存し、しかも利用目的の制限がない。このような取扱いは、個人情報保護の観点からも容認されるものではない。国が法律(政省令)に基づいて行うからすべてが認められるのではなく、法律が国際人権基準に反するものであれば、その法律は恣意(しい)的なものとして容認されない。また退去強制事由として、極めてあいまいな構成要件の「公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を容易にする行為を行うおそれ」を加えることで、社会的死刑とも言うべき強制送還の恣意的な運用を可能としている。
 ついては、極めて重大な問題点のある入管法改定案については廃案とされたい。

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