請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 1336 件名 カネミ油症被害者への抜本的な恒久救済対策の完全実施に関する請願
要旨  カネミ油症事件は、一九六八年、西日本一帯で発生した一大食品中毒事件であるが、抜本的な解決には至っていない。(一)被害者の全体数が把握できていないこと。当時届出がされた被害者一四、○○○人近くのうち、油症の被害者とされた者が一、八七一人程度しかいないこと(二)本来、汚染食品を食した全員が被害者とされるべきであるが、当時の油症研究班によって診断基準がつくられ、その基準に合致していないと被害者として認定されないという、極めて異例な扱いがされたこと(三)汚染原因物質はPCBと考えられてきたが、比較的早い段階でPCBだけでなくダイオキシン類との複合的な影響による発症であることが判明して以降も、汚染原因物質に対応した適切な措置が講じられてこなかったこと(四)治療法の研究開発や医療救済制度の確立が進まなかったこと(五)国等を相手取っての裁判の原告の多くは、諸理由により裁判を取り下げ、一○年近く経(た)ってから、仮払金の返還を国から求められる事態に至り、この問題がいまだに決着がついてないこと(六)被害者の中には仮払金の返還金が払えずに自殺した者もいること(七)油症被害は一代にとどまらず、胎児性被害者及び二世、三世にまでその影響が及んでいることが明らかになりつつある。多くの被害者が今もひっそりとした生活を強いられ、重い症状を抱えた上、差別を受け、行政からも何ら救済がされていない。既に五○○名以上の被害者が亡くなっている。油症被害者の生命・健康・人権が等閑(なおざり)にされている状況を一刻も早く解決しなければならない。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、カネミ油症をPCB及びダイオキシン類による公害病として法的に認定し、新たな対策を講ずること。

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