請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 387 件名 灯油価格の安定化と便乗値上げに対する監視に関する請願
要旨  冬が長く寒い地域に住む者にとって灯油は生活必需品であり、適正な価格で、安定的に供給されることが願いである。灯油価格は、年明け一月には一八リットル一、三九五円と、昨年に比べ四○○円近い大幅な値上げで、暮らしと地域経済への影響は一層深刻になっている。石油元売各社は、一二月末、特約店に価格の値上げを通告してきた。理由は、一二月以降の記録的な異常寒波で出荷量が前年の一・五倍になり在庫が急減しているというもので、一リットル当たり五円以上の大幅な値上げである。しかし、在庫の急減は石油元売会社が利益を優先して原油処理を減産し、在庫を減らしてきたことが大きな要因である。また石油元売会社は、一二月下旬に一月の仕切り価格方針を決め、一リットル一円~一円五○銭の値上げを通知していながら、灯油は一リットルで更に五円以上の値上げ通告をしてきており、原油価格の高騰・異常寒波・物不足に便乗した不当値上げと言わざるを得ない。二月の仕切り価格についても更に値上げすると報道されている。緊迫した状況にもかかわらず、政府は「価格には介入しない」としているが、異常寒波が続く中で、暮らし・農林漁業・地域経済への影響は深刻になっており、国民の立場に立った施策を講じる責任がある。
 ついては、国民生活の安定と地域経済の発展のため、次の事項について実現を図られたい。

一、原油価格の高騰、異常寒波、低在庫に便乗した値上げが行われないよう調査・監視・指導を行うよう関係各省に強く働き掛けること。取り分け、業界の在庫削減、買占め、値上げを条件とした出荷規制や価格調整などによる便乗値上げが行われないよう調査・監視・指導を行うこと。
 1 石油元売会社によるこれまでの灯油仕切り価格の提示(指標)は、CIF価格プラス一○円程度だったのが、原油価格の高騰を背景に原油値上げを超えた値上げ(二○○五年五月CIF価格プラス一○円に四~五円積増し一五円超)通告をしてきた。加えて、一二月の異常寒波・低在庫(物不足)を背景に、CIF価格プラス六~七円積増し一六円を超える価格を通告してきている。こうした積増し=便乗値上げが行われないよう監視・指導すること。
 2 石油元売各社は市中買いを行い価格の釣り上げを図っている。こうした状況を監視・指導すること。
 3 昨年、石油元売会社から、商品のタイト化などを理由に「注文どおり納入できない」「前年実績の○○%しか納入できない」「通告価格(高値)を認めなければ納入できない」という事態があった。こうしたことが起きないよう関係省庁に働き掛けること。
 4 灯油価格の大幅な値上がりで、暮らしと地域経済はますます厳しくなり、家計のやりくりが大変である。取り分け、高齢者層・所得の低い層ほど、家計に対する負担割合が高く、購入がままならなくなることから、生活弱者への対応が急務になっている。是非、国の責任として早急な対策を採ること。
二、異常寒波により灯油の在庫が激減している。また価格も急騰している。こうした緊急事態に対応するため、国内備蓄を放出し、生活必需品である灯油の量確保と価格の安定を最優先に対応することを国の責務として実施すること。
 1 こうした緊急事態に敏速かつ万全な体制で対応し、暮らし・地域経済への影響を最小限にとどめる施策を実施するよう働き掛けること。
 2 今後も不測の事態が想定される。国民の立場に立って、余裕のある需給計画(在庫確保)をつくり、安定供給をするよう関係省庁に働き掛けること。
三、国民に対し機敏に情報を提供すること。
   経済産業省との交渉で、元売各社は価格も公表しており、便乗値上げが行われていないとしているが、卸売価格の調査は二か月後にならないと判明せず、ホームページでも公表されていない。今回のような異常事態においては、毎週、調査を行い、分かりやすい形で情報を国民に提供する必要がある。是非、価格の動向について小売価格と同様に卸売価格についても毎週調査を行い、分かりやすい形で公表するよう働き掛けること。

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