請願

 

第163回国会 請願の要旨

新件番号 168 件名 核兵器の廃絶に関する請願
要旨  一九四五年八月、広島・長崎にアメリカが投下した二発の原子爆弾は、想像を絶する地獄をつくり出し、幼児、老人を含む多数の市民を殺した。筆舌に尽くし難い苦痛に耐えてきた被爆者は、「この苦しみを二度とだれにも味わせてはならない」と、核兵器の廃絶を世界に訴え続けてきた。国に対しては、国際舞台で核兵器廃絶のイニシャティブを取ること、戦争責任を認めて原爆被害への国家補償を行うよう、一貫して要求してきた。しかし、この願いは、どちらも実現していない。それどころか、アメリカは使える核兵器の開発を急ぐ一方、国連を無視してイラクに先制攻撃を加えた。日本では今、戦争をしない国から戦争ができる国へ着々と地ならしが進んでいる。原爆被害に対する国家補償に対しても、政府は「市民の戦争犠牲は受忍すべきだ」との姿勢を一貫して変えようとしていない。政府の引き起こす戦争に市民が巻き込まれ、核戦争の地獄が再現されるのではないか、と被爆者は大きな危機感を抱いている。日本国憲法が求めるように国際紛争に武力が行使されないこと、核兵器が一日も早く廃絶されることを強く望み、原爆被害が償われることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、核兵器をこの地球上からなくすために、核兵器完全禁止・廃絶国際条約の締結のために、日本政府は先頭に立つこと。
二、「核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず」の非核三原則を法制化すること。

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