請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 2369 件名 障害者自立支援法案に関する請願
要旨  昭和四七年に腎(じん)機能障害者(人工透析)が更生医療の対象となり、都道府県重度障害者医療費助成制度の対象にもなった。人工透析は治療費が高額であることと長期に治療を継続しなければならないことから、国の制度である更生医療が療養環境を守る柱である。人工透析患者も高齢化が進み、長期透析や糖尿病性腎症による要介護患者も増加しており、多くの患者が老齢年金、障害年金生活者である。「障害者自立支援法案」が成立すると患者の医療費負担の増加が確実であり、いつでも、どこでも、だれもが治療を受けられる状況が崩壊しようとしている。透析患者の実情を理解し、今後も医療費の負担がなく治療が受けられるよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、自立支援医療(更生・育成医療)の利用者負担を応能負担から定率負担に改定しないこと。
   障害者から見ると、今回の提案では、障害の重い人ほど医療費は掛かるので、重度障害者ほど負担が重い。むしろ、この重い障害の人こそ、多くの援助をする必要がある。今回の提案はこの逆で重い障害の人から、多額の費用徴収することになっている。重度かつ継続の透析患者が更生医療を定額制にさせられる負担は大変厳しい。
二、入院時食事療養費の一部自己負担額(入院給食費)の助成を自立支援医療から外さないこと。
   健康保険法の長期高額療養費助成制度と更生医療の相違点は、入院時の公費負担である。自己負担になれば、更生医療の使用者はますます少なくなる。更生医療を利用してきた低所得者も食事療養費を負担すると、かえって持ち出しになるからである。せっかくの更生医療も使えないことになるので、自己負担にしないこと。外来であろうと、入院であろうと透析患者に病院で出される食事は治療食であるので、自己負担にして普通食の扱いにすることは、厚労省のかねての主張に反している。
三、負担能力の認定は、世帯合算ではなく本人所得を基準に判定すること。
   家族には、かなりの負担を掛けている。障害の問題は、障害者本人の問題である。したがって、今後増額される負担金についても、家族に改めて了解を取る必要があり、自己中心の現代ではなかなか難しいのが実情である。
四、自立支援医療以外の介護給付(ホームヘルプ、障害者療護施設)訓練等給付(更生施設)の利用者負担は、月額一五、〇〇〇円を上限とする「低所得一」並みの取扱いにすること。

一覧に戻る