請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 1604 件名 医療と社会保障の充実に関する請願
要旨  日本の社会保障は、いつでもどこでもだれでも、必要な保障が受けられることを目標に制度化されてきた。ところが近年、国や企業の負担分を消費税や保険料の引上げによって国民に押し付けたり、窓口負担や利用料に対する負担能力が障害になって制度が利用できなくなったり、保険料を支払い続けても生活できる年金が保障されるのかもわからない、といった制度改革が続いている。社会保障や福祉に対する信頼感を損なう制度改革は、国民生活の安定と安心を損なうだけで、社会が健全に発展することを妨げることになりかねない。憲法第二五条がうたう一人一人の生きる権利を実現するために、今国会において、介護保険制度の見直しを始めとした社会保障制度の見直し論議が行われることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、医療制度
 1 欧米では考えられないような高い窓口負担を引き下げること。
 2 医科・歯科すべての医療が保険証一枚で安心して受けられるように、保険のきく医療の範囲を充実すること。
 3 市町村国保への国庫補助削減計画を撤回し、だれでも払える国保保険料にするために医療費の五割を国が負担すること。
 4 国保資格証明書の発行を停止し、医師が必要と認めた人は窓口負担能力に関係なく必要な医療が受けられるようにすること。
二、介護保険制度
 1 利用抑制が目的の利用料引上げや食費・室料等の自己負担化をやめること。
 2 介護保険費用の五割を国、二・五割を自治体が負担して保険料を引き下げること。  
 3 介護度の低い人が利用できるホームヘルプサービスなどを減らしたり、介護予防を押し付けたりしないこと。
 4 必要なときにはいつでも利用できるように特別養護老人ホームを整備すること。
 5 介護保険施設に入った人も医療保険で医療を受けられるようにすること。
三、年金制度
 1 二○○四年一○月から開始された年金保険料の引上げを中止し、第一五九回国会で成立させた年金関連法について審議し直すこと。
 2 年金制度に対する国の責任を明確にし、年金だけで生活できる年金額を保障すること。
四、社会保障制度全体
 1 社会保障制度の整備と財政に対する国の責任を、社会保障関連の法律の中できちんと明文化すること。
 2 国や大企業の負担削減分を国民に転嫁するだけの消費税引上げ計画を撤回し、現行消費税五%のうちの四%相当分(国庫納付分)の税収は社会保障に回すこと。

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