請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 1073 件名 クリアランス制度導入のための法改定に関する請願
要旨  原子炉解体等による放射性廃棄物の大部分を一般産業廃棄物として処分したり再利用するクリアランス制度導入のための法改定が行われようとしている。今国会に上程されている原子炉等規制法の改定案、第六一条の二、第七二条の二の二はこれに関するものである。クリアランス制度により廃棄物処分作業者、処分場周辺の住民はもとより、放射性物質がフライパンや建材に混入することにより胎児や乳幼児を含む国民一般が被曝(ひばく)する。放射性廃棄物処分費を削減し原発の経済性を追求している本制度は、原子力事業者だけが利益を得て、国民はクリアランス物からの放射線被曝によるリスクを容認させられるものである。原子力安全委員会はクリアランスの目安線量一○マイクロシーベルト/年のリスクは年間一○○万人当たり一名死亡の規模としている。このような重大なことが国民の合意を得ているとは言えない。また「汚染された物の廃棄その他の取扱いを規制することにより、これらによる放射線障害を防止し、公共の安全を確保する」ことをうたう放射線障害防止法に反する。基準値以上の濃度の物が廃棄されていないことを確認する自治体の権限はない。外国原子力船の原子炉の放射性廃棄物もクリアランスの対象とされているが、原潜や原子力空母の放射性廃棄物をクリアランスすることは「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り」とする原子力基本法に反する。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、クリアランス制度導入のための法改定を行わないこと。

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