請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 974 件名 動物実験の法制度改善に関する請願
要旨  日本では年間一、○○○万匹以上の哺乳(ほにゅう)類(マウス、ラット、モルモット、うさぎ、犬、猫、猿等)が医薬品、農薬、工業薬品、食品添加物、化粧品やバス・トイレタリー製品その他の日用化学品の開発、あるいは臓器移植その他の先端医療、脳研究、公害毒性試験、教育実習等のために使用され、殺されている。欧米諸国で動物実験は、実験施設の許可制、実験者の免許制、実験計画の許可制等の一定の法的ルールの下に行われているのに対し、日本では、だれが、いつ、どこで、どんな実験を行うことも制限されず、実態を把握する制度すらない。人と同様に様々な感受性を持つと言われる動物に対し、苦痛や恐怖を与えている。実験動物の使用数も他の先進諸国と比べ決して少ないものではなく、動物に対する日本国民の責任は重大である。原子力やクローン技術の例にも見られるように、動物実験もまた、倫理的に大きな問題を伴う行為であることから、科学者たちの自己判断のみに任せるのではなく、様々な観点から広く社会的な評価が行われるべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「動物の愛護及び管理に関する法律」へ次の事項を追加すること。
 1 倫理委員会の設置
    各施設・機関内に動物福祉の観点から実験計画を審査する倫理委員会の設置を義務付けること。また倫理委員会の最大の目的は3R原則に基づいた動物福祉を実現することであることを明確に規定すること。
 2 施設の届出
    動物実験施設及び実験動物繁殖・飼育施設を自治体への届出(登録)制とすること。
 3 立入調査
    自治体の担当職員により、定期的及び必要に応じて実験動物の飼育状況や倫理委員会の運用状況を調査させること。
 4 記録の保持と報告
    関連記録の保持と自治体への報告を義務付けること。
 5 3Rの明記
    EUやOECDの規定を始め、世界的に認められ、採用されている、動物実験の3R原則(数の削減、苦痛の軽減、代替法の使用)を明記すること。

一覧に戻る