請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 455 件名 基本的人権の侵害は許さず、レッド・パージ犠牲者の名誉回復と正当な国家賠償を行うことに関する請願
要旨  一九四九年から一九五一年にかけて、アメリカ占領軍の指揮の下、日本政府と財界が加担して、レッド・パージが強行された。官公庁の行政整理と民間の企業整備の中での日本共産党員とその支持者や労働組合活動家をねらい撃ちした不当な解雇、一方的な不適格基準による教員の追放に続き、マッカーサーの反共声明・書簡に基づく直接的なレッド・パージにより、全国で四万人を超える人々が暴力分子、企業の破壊者などの烙印(らくいん)を押されて、強権的に職場から追われた。これは、日本の降伏条件を定めたポツダム宣言に違反し、また、国民の基本的人権を規定した日本国憲法を踏みにじる無法な政治的・思想的弾圧であった。レッド・パージの結果、国民生活の擁護、軍国主義の一掃と民主主義の確立、自主的な経済復興、米軍の朝鮮戦争への介入反対などの要求を掲げての民主的運動は大打撃を受けた。また、レッド・パージの犠牲者と家族は計り知れない精神的・物質的・社会的損害を被り、自ら命を絶った人も少なくない。しかし、政府も財界も、レッド・パージを強行した責任を認めて謝罪したことはなく、犠牲者に何らの救済も行っていない。これが今日、少なからぬ職場で思想差別が続いている根底となっている。
 ついては、基本的人権の侵害は許さないという立場から、次の事項について実現を図られたい。

一、国はレッド・パージが憲法にもポツダム宣言にも明白に違反した不法・不当な弾圧であったことを認めること。
二、国はしかるべき特別法を制定して、レッド・パージ犠牲者の名誉回復と正当な損害賠償を行うこと。

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