請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 447 件名 私立専修学校の教育・研究条件の改善と父母負担の軽減に関する請願
要旨  私立専修・各種学校の在学者は、二〇〇三年度では九三万人を超えている。これは、短期大学在学者二五万人の約三・七倍となっている。また、専門学校(専門課程)においては、専門士の創設や一九九二年度から大学・短期大学との単位互換が認められ、さらに専門学校卒業生の大学への編入学が一九九九年四月に実施され、二〇〇三年度は一、八〇七人が大学編入している。また、大学・短大を卒業しての専門学校への再入学者が二万五千人前後となっている。専門学校は、高卒者の進路として就職を抜き、大学に次ぐ進路先となり、高等教育機関として重要な役割を果たしている。加えて、生涯学習社会や社会人再教育・再訓練の場として、専門的な職業技術教育分野の中核となっている。高等専修学校(高等課程)においては、高等学校と並び後期中等教育の中で技能教育と一般教育の両立を目指す重要な役割を担うとともに、高等学校との技能連携の中で、高卒資格を得る生徒も多くいる。このように私立専修学校は、大学・短期大学・高等学校等と何ら遜色(そんしょく)のない公的教育機関として社会に位置付けられ、その必要性が認められている。しかし、大学・短期大学・高等学校に比べ、公的助成が大きく立ち後れているため、私立専修学校で学ぶ生徒・父母・教職員の願いである「一人一人に行き届いた教育を保障できる教育・研究条件の充実と父母の負担軽減」には程遠い状況になっている。少子化の影響は、私立専修学校の経営を圧迫し、安易に外国人留学生で急場をしのぐ学校もあり、社会問題化するケースも出ている。現在、教育・研究条件・教育環境共に低下しており、社会的要請にこたえるには不十分な状況である。生徒・学生、父母、教職員の願いを保障していくために、私立専修学校の設置基準の引上げ・遵守の指導と助成金の増額が急務となっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、私立専修学校にも私立短期大学、私立高校と同じように経常的経費への助成のための法改正を実現すること。
二、保健室・図書室など、行き届いた教育環境がどの私立専修学校でも提供されるように、「専修学校設置基準」(特に第五章、施設及び設備等)の改善をすること。
三、私立学校施設整備費補助金について、実態として大規模学校中心の補助となっている「専修学校大型教育装置整備費補助」について、大型教育整備に限った補助ではなく、保健施設整備・水飲み設備・図書室整備など、より多くの専修学校の生徒・学生の教育環境を整える施設充実のためにも整備補助対象を拡大適用すること。
四、父母負担の軽減を図るため、授業料直接補助を実現すること。
五、日本学生支援機構奨学金の貸与制度を改善して、第一種奨学金無利息枠を拡大し、その貸与月額も増額すること。また、有利子奨学金の利息についても更に低額に抑えること。
六、三年制以外のすべての高等課程にも、通学定期割引率を高等学校と同率にするよう関係機関に要請すること。

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