請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 405 件名 借地借家法の改悪反対に関する請願
要旨  政府は、公団住宅制度の廃止、公営住宅の縮小、公社住宅の民営化を始め住宅金融公庫の廃止も決め、我が国の公共住宅制度の解消を図っている。そのうえ、借家人の権利を奪う定期借家制度の普及拡大をもくろんで、借地借家法の見直しを検討し、改正案を議員立法として国会に提出しようとしている。定期借家制度は、一定の歯止めが掛けられていて、賃貸住宅市場にほとんど普及していない。そのため住宅・不動産業界、貸ビル業界、不動産証券化協会などが中心となって、歯止めを取り外し、借家人の権利を弱めるための法改正を急いでいる。都市再生機構も、二○○四年四月以降、建て替え対象団地に定期借家契約を導入しているが、当初の建て替えに限定した導入が今後の適用拡大への突破口になることも危ぐされる。政府が改正を検討している内容は、(一)居住用建物について普通借家契約から定期借家契約への切替えを認める(二)定期借家契約の際、書面による説明をしなくてもよい(三)定期借家契約を二○○平米以下の居住用建物なら借家人から中途解約できたのを、事情があっても解約できなくなる(転居しても契約期間中の家賃を支払う)、というものである。定期借家制度は、当初の借家契約期間満了とともに、借家人の事情にかかわりなく契約は終了し、立ち退くか再契約になる。再契約では借家人の立場は弱く、家賃値上げ等を迫られるなど不利な条件に置かれることは必至である。定期借家制度は、借家人の居住継続を法的に保護する現行借家法の核心である正当事由制度をなくし、借家人の権利を奪うもので、高齢者世帯、一人住まい世帯等を始め自由に借家を移り住めない所得の低い人々の住む家を奪うことになる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、定期借家制度はすべての借家人の居住の権利を弱めるものであり、その普及拡大を図る借地借家法の改正と正当事由制度の廃止の検討は、やめること。

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