請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 351 件名 パーキンソン病根本治療研究促進に関する請願
要旨  パーキンソン病は、原因不明かつ治療法未確立で根治の特効薬はなく、徐々に悪化していく難病である。数種類の薬物の処方により症状の緩和と進行の抑制効果が認められ、平均余命近くまで生きられるものの、薬がなければ生きていけない。国の特定疾患治療研究事業の認定患者は、研究対象患者となることに同意した上で、医療費の公費助成を受けている。薬なくして生きられないのであるから、更新申請において認定を却下するのは、患者の同意を得ないで生命維持装置を外す行為に匹敵する。患者にとって、この病から解放されるのは、根治医療法の開発されたときである。難病の医療医薬研究は、一般の疾病に比べて患者数が少ないので費用対効果の求められる民間では、研究開発が進められない。国が取り組むべき重要な事業である。近年の児童による重大事件は、人と人が支え合って生きている事実を学べていないことを示している。社会的弱者へのボランティア体験は、思いやりの心をはぐくみ、難病への理解は、子供のころから患者と直接交流するボランティア体験が重要である。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、パーキンソン病の原因究明と完治療法の研究促進を図ること。
二、難病患者の療養生活に影響を与える政策決定には、難病患者・家族・介護者等、当事者の意見を最重要視すること。
三、特定疾患治療研究事業の認定審査は医師の病名診断時点とし、一二一特定疾患の医療費を公費負担とすること。
四、パーキンソン病治療薬中、西欧に比べ数倍高い薬品の薬価を引き下げること。
五、介護保険と障害者支援費制度の統合は避けること。従来の受給資格者が不利にならないよう、難病患者や低所得者への格別の配慮をすること。
六、障害者雇用率を増率し若年性難病患者に雇用機会を創出すること。
七、介護保険で施設を利用している患者へ医療保険と介護保険の併用を認めること。
八、ヘルパー体験研修に吸引器の取扱いを必須とし、使用を認めること。
九、郵政民営化後も第三種低料郵便物を継続すること。
十、学校教育の「総合的な学習」で難病理解を体験的に学ばせること。

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