請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 28 件名 保育・学童保育・子育て支援施策の拡充と予算の大幅増額に関する請願
要旨  深刻な少子化の進行にもかかわらず、保育所入所児童は過去最高となり、待機児童は増え続けている。保育・学童保育の必要性と子育て支援への期待はますます大きくなっている。だれもが安心して子供を生み育てることのできる環境の整備、子供が健やかに育つ権利を最大限保障する施策の拡充と、大胆な予算の配分が求められている。取り分け保育所や幼稚園の拡充は、深刻な少子化の進行に歯止めを掛けるだけでなく、将来を担う子供たちの健やかな育ちを保障するために欠くことのできない国の重要課題と言える。保育所は、国と自治体が保育の実施に責任を負い、最低基準を定め、必要な財源を保障する公的保育保障の制度によって発展してきた。ところが、保育所運営費の一般財源化や財政削減を目的にした幼保一元化・保育所調理室の必置規制撤廃など、公的保育保障を後退させる施策が進められている。一般財源化によって、各地で財政難を理由に公立保育所の統廃合や民営化の推進、保育条件の切下げ、保育料値上げなどが進められている。子供の育ちを、経済効率からのみ論じ、わずかな税源移譲で地方にゆだね、公立保育所の廃止・民営化を進めることは国の責任放棄と言わざるを得ない。こうした政策を改め、少子化対策、保育施策の抜本的見直しが必要である。国や自治体が保護者と共に子供を育てる責任を明確に規定している児童福祉法や、子供の「最善の利益」を求める子どもの権利条約の理念に基づいて、保育・学童保育・子育て支援施策が、国と自治体の責任で安定的に行われることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国と自治体の責任による保育制度を堅持・拡充し、保育・学童保育・子育て支援の予算を大幅に増やすこと。
二、保育所運営費の一般財源化はしないこと。公立保育所運営費を国庫負担に戻すこと。
三、待機児童解消のための緊急保育所整備計画を立て、施設整備費の大幅増額など、特別の予算措置をすること。
四、保育所における保育の質の向上と子供の安全を保障するために、最低基準の職員配置基準・施設設備基準の抜本的改善をすること。保育所調理室の必置規制を撤廃しないこと。
五、過疎地域の子供の保育を保障する特別な措置を採ること。
六、認可外保育施設について、市町村が児童福祉法に基づく保育の実施義務を果たせるよう、また認可が進められるよう必要な予算措置をすること。認可外保育施設に消費税を課税しないこと。
七、保育所・幼稚園のそれぞれ独自の機能と役割を切り捨てるような幼保一元化や総合施設の設置はしないこと。
八、幼稚園予算を大幅に増額し、幼稚園設置基準の抜本的改善をすること。
九、学童保育は、必要とする市町村、小学校区に早急に整備することと併せて、学童保育専用の施設(室)と専任指導員の常時複数・常勤配置、適正規模で小学校区内複数配置ができるよう国として最低基準を明確にし、財政措置をすること。
十、すべての子供たちが健やかに育つよう、労働時間短縮など労働施策を見直し、子育て支援策を拡充すること。次世代育成支援・少子化対策は、必要な予算措置をし、父母負担を軽減すること。

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