請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 3441 件名 雇用・失業情勢の深刻化に対応するための労働行政体制の整備に関する請願
要旨  労働力調査(総務省)によると、二○○二年の年間平均完全失業率は五・四%、完全失業者数は三五九万人と、いずれも統計史上最悪の水準で推移し、雇用・失業情勢は深刻な状況が続いている。全国の公共職業安定所には、多くの求職者・労働者が訪れ、また、労働基準監督署、雇用均等室にも解雇や賃金不払、職場での男女差別解消を求める申告者・相談者が急増している。労働者・国民の雇用不安、生活不安の解消や労働条件をめぐる諸問題の解決は緊急の課題となっている。しかし、緊急の雇用対策を始めとする新規施策は、大幅な業務量の増大を労働行政の第一線にもたらす一方で、必要な人員の確保を伴っていない。職員は労働者・国民の要望にこたえようと努力しているが、限界を超えつつある。現状の職場体制が放置されるならば、雇用の安定や労働条件の改善等に関する行政機能の大幅な低下を招き、労働者・国民の生活の安定や、公正・公平な行政の実現が阻害される事態にもつながりかねない。今必要なことは、労働者・国民、事業主の要望に迅速かつ適切に対応するために、国の責任を明確にした施策を打ち出し、その実現を可能とするための行政機能の充実、職員の増員等による労働行政体制の整備・強化を図ることである。そのためには、職業安定行政、労働基準行政、雇用均等行政それぞれの独自性・専門性を堅持しながら、行政本来の責任と役割を果たすことができるよう、その体制・機能を充実・強化することが不可欠である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、現下の雇用・失業情勢の深刻化に伴う労働行政の需要増大等に対応するため、緊急に職員の増員等による労働行政の体制整備を行うこと。
二、勤労国民の雇用の確保・安定と労働条件の維持・向上を図るために、以下の観点から、職員の増員等によって労働行政各分野の体制整備を行うこと。
 1 中高年齢労働者・障害者・若年労働者の雇用促進を始め、勤労国民の雇用・失業保障の確立と職業能力開発の推進など、行き届いた行政サービス確保のため、それに必要な職業安定行政の体制整備を行うこと。
 2 勤労国民の労働条件、命と健康を守る監督行政、労働安全衛生行政、労災補償行政の充実を図るため、それに必要な労働基準行政の体制整備を行うこと。
 3 雇用・就業における真の男女平等の実現と、少子化対策等を推進するための仕事と家庭の両立支援対策を図るため、雇用均等行政の充実とそれに必要な体制整備を行うこと。
 4 総合的労働相談や情報公開等を推進するとともに、職業安定、労働基準、雇用均等三行政の連携を強化し、分野横断的な行政課題の充実や、地域の実情や情勢の急激な変化に応じた施策を実施するために、都道府県労働局・厚生労働本省の体制整備を行うこと。

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