請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 2569 件名 延納相続税の支払に困窮している相続人に対する相続税に関する法律の緊急改正に関する請願
要旨  平成二年三月開始の相続に係る相続税本税未納額、利子税未納額、延滞税未納額については、地価バブルが消滅した平成二年ごろから本年に至るまで、地価の下落は激しく、土地取引も激減し、さらに借地権付きの土地取引は一層困難となり、税担保土地を売却して、相続時の極めて高く評価された路線価に基づく巨額の相続税額を支払うことは至難となっているので、平成六年改正の租税特別措置法第七十条の十(相続税の延納の許可を受けた個人の延納税額についての物納等の特例)の規定を復活し、延納担保に提供した土地の物納を許可するよう、特別立法を求める。これまで時価に比べて極めて低かった路線価評価額を地価公示価格の八十%を目標に、昭和六十三年ごろから急激に引き上げるとともに、地価税という新税まで創設して地価バブルを崩壊させたのみならず、地価を、その後も長期にわたって低落させ、土地取引を萎縮(いしゅく)させたのは政府の責任によるものである。また、担保土地の値下がりによって発生した銀行の不良債権の消却を急がせる最近の政府の政策と軌を一にして、バブル時に路線価を高く引き上げて評価した延納担保の土地の極端な値下がりによって発生した不良相続税債権の消却を急ぐべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、相続税の延納の許可を受けた延納税額について、平成六年改正した物納等の特例に関する旧租税特別措置法第七十条の十の規定を復活し、これを適用すること。

   理由
 平成六年改正の租税特別措置法第七十条の十の規定を活用し、延納の許可を受けた個人の延納税額を物納に切り替える機会を失した。というのは、この特例規定は、早急の間に国会に提出されて平成六年四月一日に施行されたもので、しかも申請期限が平成六年四月一日から同年九月三十日まで、公布からわずか六か月間という、余りにも早急短期に過ぎ、国民はおろか、昭和六十四年一月一日から平成三年十二月三十一日の間の相続人でも、成立していたことを知っていた人は数少ないと思われる。また、本特例規定は翌年の平成七年には早くも削除されているので、国民の目に触れる機会は、一年足らずの短い期間であった。また、所轄税務署から本特例規定が立法されたという通知はなかった。

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