請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 2340 件名 気象事業の整備拡充に関する請願
要旨  近年、我が国では、台風や集中豪雨、地震や火山噴火による災害が頻発している。気象庁の重要な業務の一つに、このような自然災害の脅威から国民の生命と財産を守るための注意報・警報を含む防災情報の発表がある。また、気象、地震、火山などの災害に対する国民の知識や防災意識の向上を果たす啓発活動も大切な仕事である。さらに、日々の天気予報や季節予報を始め、暮らしや地域産業と密接に結び付いた気象情報の発表も気象庁の業務として欠かせない。現在、気象庁には、防災情報等を市町村や住民に直接伝える仕組みはなく、都道府県や報道機関を経由していることから防災情報等の内容が市町村や国民に十分伝え切れていないことや、市町村への情報が迅速に伝達されないことが危惧(きぐ)される。また、啓発活動についても限られた体制の下では限界があり、きめ細かな活動が実施できていない。一方、二〇〇〇年の気象事業に関するアンケートによると、農林業、水産業、観光・レジャー産業を中心に、「天気や気象現象が業務に影響する」という回答が多く、地域の産業や気候風土に即した情報、観光・レジャーやイベントに適応したきめ細かな情報の提供は、暮らしや地域経済の進展に必要不可欠である。ところが、国の厳しい財政事情を理由に測候所の廃止が進められており、地域密着型の気象情報の発表が困難になりつつある。この分野は民間気象会社による情報提供に依存してきたが、採算性が低いところが多く、受益者負担が強まるとともに、都市部と地方との情報格差が広がることが懸念される。
 ついては、自然災害の脅威から国民の生命と財産を守り、国民の期待とニーズにこたえるため、次の事項について実現を図られたい。 

一、国の直接の責任で、より精度の高いきめ細かな防災情報、暮らしや地域産業に密接にかかわる気象情報の提供体制を充実させること。

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