請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 756 件名 戦地イラクへの自衛隊派兵の中止とイラク特措法廃止に関する請願
要旨  今、日本は重大な歴史の岐路に立っている。戦地へ自衛隊を派遣することは戦後初めてのことであり、交戦権を放棄した憲法を真っ向から否定することである。対外侵略と軍国主義復活への第一歩である。再び戦争国家、侵略国家への道を転がり落ちていくのか、それともストップをかけるのか。平和憲法を破るのか守るのか。この誤った針路を阻止しなければならない。イラク派兵は戦争に行くことである。小泉首相は「戦争に行くんじゃない」と言うが、舌の根も乾かぬうちに「正当防衛は武力行使ではない」「危険を恐れてどうする」と戦争の決意を国民に迫っている。今イラクは再戦争状態にある。その中での自衛隊派兵は文字どおり戦争に行くことである。これ以上の殺戮(さつりく)と破壊はイラク民衆の怒りと反発を買うだけである。日本は自衛隊派兵でイラク民衆全体を敵に回すことになる。小泉首相の対米追随と突出は異様である。米政権内にさえ撤退論が浮上しているときに派兵するというのである。米軍の占領支配は完全に破綻(はたん)し迷走を繰り返している。現に韓国、イタリア、スペイン、ポーランド等、米の同盟国であるはずの国々で、撤退論・縮小論が急速に広がっている。こうした動きに逆行する自衛隊派兵、しかも最新式の装甲車両、機関銃、無反動砲、対戦車ロケット等、重装備をもっての派兵は、常軌を逸している。一体何のために自衛隊を送るのか。小泉首相は何も説明していない。「人道復興支援」は口実にすぎない。米のイラク戦争は、何の正当性もない不法な戦争である。開戦の唯一の根拠であった大量破壊兵器はいまだに見付かっていない。ところが小泉首相は真っ先にブッシュ支持を表明し、五〇億ドルものばくだいな財政資金の拠出を約束した。小泉首相は、大義名分も国際法上の根拠も示さないまま、対イラク戦争支持の根拠である「大量破壊兵器」を「テロとの戦い」にすり替えて自衛隊派兵に道を開こうとしている。米軍が使用した劣化ウラン兵器でイラク全土が汚染された。南部バスラだけではなくイラク全土に大勢の劣化ウラン被曝(ひばく)者が生み出されている。当然、派兵予定地サマワに自衛隊員が行けば被曝する。ところが小泉政権は劣化ウラン弾使用の事実をいまだに否定し続けている。自衛隊派兵は劣化ウラン戦争・放射能戦争への加担であり共犯者になる。「テロとの戦争」を豪語する小泉首相の強硬姿勢は決して強さの表れではない。内政でも外交でも行き詰まり、今や米のブッシュ政権だけがよりどころになっている。派兵までの過程で様々な矛盾が噴出してくるのは不可避である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、自衛隊を送らないこと。戦争をしないこと。イラクの民衆を一人も殺さないこと。
二、米国の無法な戦争と軍事占領に手を貸さないこと。占領に加担する一切の資金援助を行わないこと。
三、米国がイラクで劣化ウラン弾を使用し、放射能で汚染した事実を認めること。放射能戦争への加担を行わないこと。
四、「基本計画」を撤回し、「イラク特措法」を廃止すること。平和憲法を遵守すること。

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