請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 3306 件名 国立大学法人化法案の廃案と大学教育の充実に関する請願
要旨  政府は大学の構造改革の名の下、大学・学部の再編・統合、国立大学の法人化、国公私立三〇大学のみ厚遇などの計画を、学生・大学関係者の意見を十分に聴くこともせず、推し進めており、「国立大学法人化法案」の今国会での成立をねらっている。地域に根ざした教員などの人材の育成、基礎研究の推進など、国立大学が果たす役割の否定につながる計画に対して、学術関係者だけでなく、各界から批判や懸念の声が相次いでいる。国立大学法人化については、「独立行政法人的手法は、経営上の裁量拡大のために、本来大学の使命である教育研究の自主性、自律性を犠牲にする」(鹿児島大学長)などと指摘されている。取り分け学生・父母にとって見過ごせないのは、国立大学の法人化が、大学に対する国の財政責任を大きく後退させ、授業料の大幅値上げや学部間格差導入をもたらすことである。文部科学省は既に、二〇〇三年度五二万八〇〇円の授業料を、法人化後は最高で七〇万六、八〇〇円とする案を示している。今でさえ「お金がないために大学進学をあきらめた」「学費をつくるためのバイトと勉強の両立で体はボロボロ」と、世界でも異常なほど高い学費に苦しめられている学生が大勢いる。このままでは、経済的理由から、希望する大学・学部への進学をあきらめざるを得ない学生をますます増やすことになる。今、求められているのは、大学の教育研究をバランス良く発展させること、国民が等しく高等教育を受ける権利を保障していく政策の充実を図ることである。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、国立大学法人化法案を成立させないこと。
二、高等教育への公財政支出を欧米諸国並みに早急に引き上げ、学生・父母負担の軽減と、大学の教育研究の充実を図ること。
三、大学の構造改革の方針を見直し、学問の自由と大学自治を保障すること。

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