請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 2273 件名 自動車NOx・PM法の施行に当たっての中小業者の経営と雇用を守る施策に関する請願
要旨  「自動車NOx・PM法」が昨年一〇月一日から施行され、規制対象のディーゼル車について車検打切りが告知されている。ディーゼル車ユーザーは、使用期間を残しながら、その車を廃車して低公害車に買い換えるか、後付けの除去装置を付けるなどの対応が求められている。ディーゼル車排出ガスによる大気汚染公害をなくすことは緊急の社会的要請である。「自動車NOx・PM法」を実効あるものにするかなめは、使用過程車の排出ガスを減少させる後付装置を全車種に装着できるようにすることである。ところが、後付装置の開発は極めて遅れており、「装着したくても手に入らない」「情報もない」など現場は非常に混乱している。国や自動車メーカーは適合車の開発と買換えに重点を置いた対応を行っている。まだ使えるディーゼル車を法的に乗れなくすることは、憲法第二九条の財産権の侵害である。使用過程車の廃棄は二〇〇〇年に施行された「循環型社会形成推進基本法」にも反する。しかも、ディーゼル車ユーザーのみに負担を求める国の方針は断じて容認できない。同法の実施により中小業者への経営に重大な影響が出ている。
 ついては、「自動車NOx・PM法」の施行に当たり、実効性を高める上でも、次の措置を採られたい。

一、自動車メーカーに対し窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)の双方を除去する後付装置の研究開発・実用化を促すこと。
二、後付装置の研究開発と実用化、装着には、自動車メーカーにも応分の負担を求め、国とメーカーの拠出によりユーザーの負担なしで三・五トン以下も含め、全車種に据え付けられるようにすること。後付装置で対応できない車種については、下取りサービスや環境負荷の低い車への改造・修繕をメーカーに義務付けるなどの措置も検討すること。
三、適合車への買換えを希望するユーザーには、国が使用過程車への損失補償を行うこと。また、廃車は有効に再利用、リサイクルが図られるようにすること。
四、適合車への買換えについては特別の税制措置、低利無担保融資制度などを創設・拡充すること。さらに、情報の周知徹底に努めるとともに、支援・助成申請手続は希望するすべての組合・任意団体で取扱いができるようにすること。
五、環境省、経済産業省、国土交通省の三省が関係を密にしこれらの問題に対処できるような体制を緊急に整備すること。

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