請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 1846 件名 日本育英会の存続と奨学金制度の充実に関する請願
要旨  長引く不況や高い学費の下、「奨学金制度の拡充を」の願いは切実である。ところが政府は、国の奨学金事業を担ってきた日本育英会を廃止し、新たな独立行政法人を設立するという法律案を発表した。その内容は、(一)「債務保証制度」を設け、奨学金を受ける学生から、これまで必要なかった保証料を徴収できるようにする(文部科学省の試算では年額二万四千円から三万六千円程度)、(二)教育・研究職に就く大学院生には奨学金返還を免除する「返還免除職制度」を廃止し、「特に優れた業績を挙げたと認められる」大学院生に対する返還免除へと転換する、(三)一二万人以上が利用する高校生向け奨学金から国は手を引き、地方に移管する、というものである。そもそも奨学金は、憲法や教育基本法がうたう「教育の機会均等」の理念を実質的に保障する制度であり、国が責任を持つべきである。優れた業績を挙げた学生だけでなく、欧米のように、学ぶ意欲のある若者はだれでも大学や高校に行ける仕組みにすべきである。そのためには日本育英会の存続が必要である。日本の奨学金制度は原則貸与制で返還が必要であるが、欧米では返還の必要がない給付制が重視されている。政府は有利子奨学金枠を増やすことで制度を充実させたかのように宣伝するが、学生からは「利子分の返済も考えると借りづらい」との声も出ており、抜本的充実には程遠い。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、日本育英会を存続させ、無利子奨学金枠の拡大や給付制奨学金の導入など、奨学金制度を抜本的に充実すること。

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