請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 684 件名 すべての子供たちに対する行き届いた教育の実現、心通う学校に関する請願
要旨  不登校・高校中退・いじめ・学級崩壊などとともに、学力の低下や少年事件など、教育の問題は大きな国民的関心となっている。教育基本法で定めている「人格の完成」を目指し、一人一人の子供が心身共に健やかに成長し、確かな学力を保持する教育を実現することが父母・教職員また多くの国民の願いである。そのためには、教育を取り巻く環境と条件を大きく改善する必要がある。その一つとして、三○人学級の実現がある。多くの国民はその実現を強く要望している。また、私立学校における高学費が受験競争を過熱させ、ひいては少子化の原因とも言われている状況になっているので、私立学校への助成金を大幅に増額するよう強く求める。今日、高等学校では二九・四%、幼稚園で七九・一%の子供が私学で学んでいる。私学における父母負担は年々増加し、もはや限界を超えている。二○○○年度の私立高校初年度納入金の平均額が六六万三一一円になり、神奈川・東京では八○万円を超えた。都立高校(一○万八、○○○円)の七・四倍となるなど深刻の度を増している。これは、根本的に公教育の一翼を担う私学への公費助成の不十分さによるものである。今日の不況の中で、私学の高学費は父母・生徒を苦しめ、経済的理由で学校を去る生徒が急増し、教育を受ける権利が侵害されているという事態が起きている。実施した二○○○年度の調査によると、二三五の高校で二九九名、六二の中学で一○名が経済的な理由で退学している。高校段階では一校当たり一・二七人の生徒が退学していることになる。先進資本主義国と言われる日本で、子供の学ぶ権利が保障されていない。二○○一年度の文部科学省予算では、六二億円が増額され九二二億五、○○○万円に到達した。しかし、まだ不十分であり、いち早く一、○○○億円を超え、経常費の二分の一助成が実現できるように私学助成の大幅な増額を求める。
 ついては、子供の急減期の今こそ、教育条件を改善し一人一人の子供たちに豊かで行き届いた教育を行うため、次の事項について実現を図られたい。

一、私学助成の国庫補助制度を守り、私学助成を大幅に増額すること。特に経常費二分の一助成、授業料直接助成、施設助成を実現すること。
二、小・中・高の三○人以下学級を早期に実現すること。複式学級を解消すること。
三、義務教育費の国庫負担制度を守り、充実すること。
四、すべての学校の教職員を増やすこと。
五、希望するすべての子供たちに、高校教育を保障すること。障害児に行き届いた教育を保障するために、教育条件を整備すること。
六、教育費の父母負担を軽減し、長期不況下の子供の就学を保障するために、公立・私立の児童・生徒への就学援助・授業料減免制度、奨学金制度などを充実すること。
七、学校の施設・設備を改善すること。

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