請願

 

第155回国会 請願の要旨

新件番号 852 件名 物価スライドによる年金引下げ反対、最低保障年金制度の創設に関する請願
要旨  政府は年金、医療、介護、福祉など社会保障を連続して改悪し、高齢者、年金生活者の生活を苦しめている。こうした中、政府は二〇〇三年度から物価スライドの凍結を解除し、年金額の二・三%を減額することを企てている。国民年金を受給している人の平均額は、約五万円という低さである。政府の調査でも、老後の生活費は世帯で二七万円を必要としている。低い年金をこれ以上減らすことは、人間らしい生活を全く無視し、憲法に明記している生きる権利を踏みにじる暴挙である。さらに、政府は二〇〇四年の年金改定に向けて、保険料の引上げ、年金の切下げを検討している。高齢者の命の綱である年金を、これ以上後退させることは許せない。また、無年金者が五五万人に上り、未加入者、未納者、免除者など、やがて無年金、低年金になる人は八八〇万人という状態を迎えている。全国の一、四三〇を超す市町村議会が最低保障年金制度の創設を求める意見書を国に提出した。多くの市町村は、「年金が悪くなると街の経済が冷えてしまう」と、年金改悪に反対している。国連の社会権規約委員会は、日本政府に年金制度に最低年金を導入することを勧告した。最低保障年金制度を求める流れは、国際的、国内的にも大きくなっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、物価スライドの凍結解除による年金切下げと、年金への課税強化を行わないこと。
二、二〇〇四年の年金改定に当たっては保険料の引上げ、給付額の引下げなど、これ以上の年金改悪を行わないこと。
三、全額国庫負担による「最低保障年金制度」をつくり、すべての高齢者が安心して暮らせるようにすること。

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