新件番号 | 506 | 件名 | 保育・学童保育予算の大幅増額による豊かな保育に関する請願 |
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要旨 | 長引く不況と共働き家庭の増加で、少子化が進んでいるにもかかわらず保育所入所の要望は高まり、延長保育や夜間・休日保育、病後児保育などの要求も広がっている。国はこうした要求に営利企業の参入や、定員を超える入所、短時間勤務保育士の規制の緩和、最低基準を下回る認可外保育施設の活用などで対応しようとしている。また、効率化の名による公立保育所の統廃合や民営化の推進、今でさえ不十分な最低基準や保育予算の切下げも進められようとしており、こうした事態が広がれば、保育水準や保育の質の低下による子供の人権侵害が進むことは明らかである。今、切実な要求に即応できない保育行政の下で痛ましい事故は後を絶たず、子供の生命の安全さえ脅かされている。人格の基礎を培うべき乳幼児の保育に、規制緩和や効率化はなじまない。今こそ「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」とうたった児童福祉法や子供の「最善の利益」を求める子どもの権利条約の理念に基づく、保育施策の抜本的改善が求められている。国民の求める少子化対策は子供を生み育てることに夢が持てる社会の実現である。 ついては、豊かな保育・子育て施策が国と自治体の公的責任において安定的に行われるよう、次の措置を採られたい。 一、待機児解消のために、緊急に認可保育所の新設・増設をすること。 二、職員配置・施設などの最低基準を抜本的に改善すること。 1 待機児解消を理由にした詰め込み保育など、規制緩和はやめること。 2 短時間勤務保育士を最低基準の定数内に入れるのはやめること。 3 保育所の職員配置基準の引上げ、施設設備基準の抜本的改善を行うこと。特に一歳児と三歳児の基準を緊急に改善すること。 4 保育所の調理室をなくさないこと。 三、学童保育専用の施設(室)と専任指導員が常時複数・常勤で配置できるよう国として最低基準を明確にし、財政措置をすること。 四、保育所運営費等を改善し、予算を大幅増額すること。 1 保育料を引き下げ、父母負担を軽減すること。 2 延長保育、乳児保育、一時保育、障害児保育、地域子育て支援などが安定的に実施できるよう予算を増額すること。 3 三歳以上児の完全給食を実施すること。 五、すべての子供たちが健やかに育つよう子育て支援策の拡充を図ること。 1 市町村が、認可外保育施設の子供たちに対して児童福祉法に基づく保育の実施義務を果たせるよう、必要な予算措置をすること。 2 過疎地域の子供の保育を保障する特別な対策を執ること。 3 保育所・幼稚園で地域の子育て支援や、児童虐待防止施策を進められるよう、専任の職員配置と財政措置をすること。 4 仕事と子育てが両立できるよう、労働時間短縮など施策の改善を行うこと。 六、国と自治体の責任に基づく保育制度を堅持・拡充し、保育所への直接入所方式やバウチャー制の導入、公立保育所の民営化の推進をしないこと。 |