請願

 

第155回国会 請願の要旨

新件番号 199 件名 原子力発電等に関する請願
要旨  現在、エネルギー資源の乏しい我が国にとって、国民生活の維持向上と社会経済の発展に必要な電力を確保することは、極めて重要な課題となっている。このため、国においては、各種エネルギー資源の開発について対策が講じられているが、原子力発電に関する施策は必ずしも十分とは言えない。また、高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故を始めとして、株式会社ジェー・シー・オー東海事業所における核燃料加工施設の臨界事故、MOX燃料に係る検査データの不正問題等の発生は、原子力政策の在り方に対する国民の信頼を根本から損なうとともに、不安と不信を増大させている。さらには、米国におけるテロ事件発生という新たな事態に直面し、自治体ではその対応に苦慮している。このような中、発覚した東京電力株式会社における自主点検作業記録等の記載に係る不正問題及び格納容器漏えい率検査における偽装工作は、原子力発電所等の安全性を信頼せざるを得ない立地地域の住民の気持ちを踏みにじるものであり、原子力行政の体質、体制を問われ、原子力発電所等の安全性はもとより、国の安全規制に対する国民の不安感のみならず、不信感を更に増大させるものと言わざるを得ない。一方、国が進める核燃料サイクルに対しても、国民の理解、コンセンサスが十分得られているとは言えない。このため、国においては、原子力政策に対する一層の国民の合意形成を図るとともに、原子力発電施設等の安全性の確保と防災対策の確立、原子力発電に関する国民の理解と協力を得るための分かりやすい広報の徹底、さらには、電源地域の振興を図るための総合的な施策の確立など、その充実強化が強く求められている。
 ついては、原子力発電に関する現状にかんがみ、次の措置を速やかに採られたい。

一、原子力発電施設等(核燃料サイクル施設を含む。)の安全対策及び防災対策並びに周辺環境整備に係る予算枠の拡大を図ること。
  エネルギー資源の乏しい我が国は、エネルギーの安全供給、経済性及び地球環境保全等の面から今後とも原子力発電に依存せざるを得ない状況にあり、さらに原子力発電施設等の安全対策及び防災対策並びに周辺環境整備の充実強化を図るため、国の関係予算枠を拡大すること。

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