請願

 

第155回国会 請願の要旨

新件番号 165 件名 ILOパートタイム労働条約の批准に関する請願
要旨  一九九四年六月、ILO(国際労働機関)総会で「パートタイム労働に関する条約(一七五号)」及び「パートタイム労働に関する勧告(一八二号)」が採択された。この条約は、一九九五年六月、日本でも批准された「家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約(一五六号)」及び勧告(一六五号)の諸規定のパートタイム労働者への関連性等に留意し、採択されたものである。この条約では、パートタイム労働者はフルタイム労働者より労働時間が短いだけであり、その権利や社会保障、労働条件は働く時間に応じて均等待遇を保障するよう必要な措置を執ることを各国に義務付けている。日本のパートタイム労働者は増加の一途をたどり一、一○○万人を超えている。その大半は女性で、かつ女性の雇用労働者の三人に一人がパートタイム労働者になっている。一九九三年には「短時間労働者雇用管理法」(パートタイム労働法)が施行されたが、パートタイム労働者は、低賃金や不安定雇用など様々な問題を抱え、特に家族的責任を持つがゆえの不利益は解消されず、正規労働者との均等待遇を求める声は強まっている。一九九八年の厚生白書でも少子高齢化社会の原因の一つに、パートタイム労働の低賃金を挙げている。さらに出産、育児で女性が損をしないためには、低賃金の是正が必要であると指摘している。また、自治体関連職場で働く非常勤・臨時・嘱託等の職員は、その就業実態が正職員とほとんど同じか少し労働時間が短いだけであるにもかかわらず、賃金や社会保障などの格差があるが、現行「パートタイム労働法」では対象から除外されており、改善が求められている。
 ついては、パートタイム労働者の実効ある待遇改善と、仕事も家族的責任も男女が共に分かち合える、男女共同参画社会の実現に向け、政府は早期に「ILOパートタイム労働条約」を批准されたい。

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