請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 4612 件名 私立大学に対する経常費二分の一助成の実現、学費負担の軽減等に関する請願
要旨  私立大学及び短期大学(以下「私立大学」という。)に対する経常費補助は、私立学校振興助成法成立時の附帯決議により「経常費の二分の一補助の速やかな達成を目指す」とされ、一時は私立大学経常費の三割程度まで行われたが、平成十二年度には十二・二%にまで抑制されている。このように私立大学経常費補助が低い水準に置かれている理由は、我が国の高等教育予算が国際的にも低額に抑えられていることなどにある。この結果、私立大学における教育・研究条件の抜本的な拡充は困難となっている。また、高学費も解消されていない。長引く不況により進学や学業の継続が困難となっている学生が急増している現状を解決する施策の実現とともに、父母・学生の学費負担の無償化につながる抜本的な改革の実施が求められている。一方、私立大学の充実・発展と学生の学業の継続に重要な役割を果たしてきた日本私立学校振興・共済事業団と日本育英会については、特殊法人改革の一環として統廃合等の方針が打ち出されている。このため、私立大学に対する文部科学省の規制の強化や、国際的にも貧弱な我が国の奨学金制度の一層の後退が懸念される。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、高等教育予算を大幅に増額し、総経常費の二分の一補助を早期に実現すること。経常費補助は一般補助の増額を基本とすること。
二、父母・学生の学費負担を軽減し、高等教育を受ける機会を飛躍的に拡大するため、以下の施策を実施すること。
 1 新規に次の方策を総合的に実現すること。
  (一)給費奨学金制度
  (二)私学教育費減税
  (三)地方自治体が実施している制度と同旨の学費直接助成
 2 奨学事業に対する補助制度と日本育英会奨学金制度を次のとおり改善すること。
  (一)経済的に修学困難な学生を対象に学校法人が実施する奨学事業に対する補助については、予算規模を国立大学における学費の全額免除又は半額免除制度の水準まで引き上げること。
  (二)日本育英会奨学金制度の充実
      無利子奨学金(第一種)については、経済的条件のみを選考基準とすることとし、採用数を大幅に増員すること。
      きぼう21プラン奨学金(第二種)については希望者全員が受給できる規模に拡大すること。また、利子負担を軽減するため、財政投融資の利子分を一般会計から補給すること。
三、大学財政の透明性を確保するため、学校法人に対し財政の公開を義務付けること。また、「行政機関情報公開法」に基づく私立大学の財政資料の公開については、小科目・内訳表までを対象とすること。
四、私立大学の健全な発展を図るため、日本私立学校振興・共済事業団の統廃合等を行わないこと。奨学金事業の後退につながる日本育英会の廃止・統合は行わないこと。

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