請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 2762 件名 ウイルス肝炎総合対策の充実に関する請願
要旨  厚生労働省は本年度からウイルス肝炎総合対策として(一)国民に対する普及啓発・相談指導の充実、(二)現行の健康診査体制を活用した肝炎ウイルス検査等の実施、(三)治療方法等の研究開発及び診療体制の整備、(四)予防、感染経路の遮断、の四つを柱とした肝炎対策を推進するとしている。我が国のウイルスキャリア(持続感染者)は、B型肝炎ウイルスでは百四十万人以上、C型肝炎ウイルスでは二百万人以上と推定されており、ウイルス検査の拡充及び受診率の向上に向けた特段の周知徹底に加え、特定されたウイルスキャリアの健康管理及び適切な治療体制の整備が求められている。また、肝がんが急増していることから、予防が急務となっているが、肝がんに対する有効な予防対策は慢性肝炎から肝硬変への進行を阻止することである。このため、予算を増額し、治療薬及び治療法の開発を促進するとともに、新たな医薬品及び肝がん治療法の迅速な承認が求められている。さらに、現在使用されている治療薬の投与期間や制限の緩和も求められている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、慢性肝炎、肝硬変及び肝がん等に対する治療薬及び治療法の開発を促進するとともに、現行の治療薬及び治療法に対する制限を緩和すること。
二、本年度から実施されている基本健康診査における肝炎ウイルス検査の広報を充実させ、受診率の向上を図ること。また、職域における検診の勧奨とともに、保健所及び区市町村保健センター等においても受診できるようにすること。
三、全国すべての二次医療圏ごとに、一般臨床医と専門医との連携システムを構築し、新たに特定されたB型及びC型肝炎ウイルスキャリアの健康管理及び治療体制を整備すること。また、相談窓口を設置すること。

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