請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 1854 件名 野生生物保護のための立法措置に関する請願
要旨  野生生物は地球環境を守るために欠くことのできない貴重な存在である。しかし、その生息地は日々失われており、また多くの生物種が絶滅しつつあるが、我が国では野生生物を効果的に保護するための法律が存在しない。野生生物とその生息地の保護は重大な社会的・政治的課題の一つであることから、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(以下「鳥獣保護法」という。)及び絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下「種の保存法」という。)を抜本改正し、「野生生物保護法(仮称)」の制定につながるものとするよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「鳥獣保護法」を改正すること。
 近年、自然に親しむ野外活動が広がる中で狩猟・人身事故が絶えないことから、原則どこでも狩猟できる現状を管理猟区でのみ狩猟を許可する制度に改めること。また、農林水産業に被害を及ぼす野生鳥獣の駆除については、事前調査や実施後の評価等をチェックする仕組みがなく、駆除の効果が不明なまま無秩序に行われていることから、有害駆除のチェック、駆除個体の取引の禁止、被害防止対策の優先、人材の育成、国民の意見の反映などが保障される制度に改正すること。
二、「種の保存法」を改正すること。
 絶滅のおそれのある種が増加する一方で、「種の保存法」により保護されるものはごくわずかにすぎないことから、効果的な対策が早急に採れるよう、種をそれぞれの地域の群れとして保護するとともに、絶滅のおそれのあるすべての種について生息地の保全及び回復を進める計画、生息地の破壊を防ぐ仕組み、施策に国民の意見を反映できる制度などを導入し、実効力のある「野生生物保護法」に抜本改正すること。

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