請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 1466 件名 年金、医療保険及び介護保険などの諸制度の安定的運営に関する請願
要旨  近年、我が国のセーフティネットが不安定であるとの多くの指摘がある。年金においては、平成十三年度以降に年金の受給を開始した者から厚生年金の定額部分の支給開始年齢の段階的繰延べなどが行われており、年金の支給開始時期と定年制・再任用制等との整合性が不完全なことによる無年金期間の発生が懸念されている。また、高齢者医療制度においては、高額療養費限度額引上げの実施、上限額付きでの医療費一割負担の導入などが行われたが、今後、上限額の撤廃などによる保険者の負担増加が検討されている。導入後間もない介護保険制度については制度上の課題が指摘されている。一方、生命保険会社の破綻(はたん)による予定利率の引下げなどに加え、本年四月からは預貯金の保証額に上限を設けるペイオフが解禁されるなど、金融不安が生活を直撃している。
 ついては、生活のセーフティネットを確立するため、次の事項について実現を図られたい。

一、退職後に安定した年金生活を送るため、見通しの立つ年金制度とすること。
  平成十三年度以降の年金受給者からは、厚生年金の基礎年金部分の支給開始年齢が一年ずつ繰延べとなり、六十歳で定年退職した夫婦の場合、月額約十万円の年金(うち介護保険料、任意継続又は国民健康保険料納入)での生活を余儀なくされることから、生活可能な額を支給する年金制度を確立するとともに、年金受給待機者の健康保険任意継続に当たっては、雇用主の負担相当部分を国が負担すること。
二、医療保険制度の抜本改革に当たり、高齢期の医療負担については現行の上限額を維持すること。
  安心して医療を受け、健康な生活を維持するための制度を高齢者に提供すること。
三、家族介護の努力をしている家庭に対する給付適用を介護保険制度に組み入れること。

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