請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 940 件名 安全で行き届いた看護の実現、医療事故対策のための第三者機関設置等に関する請願
要旨  高齢社会を迎え、医療・社会保障の充実が求められている中、続発する医療事故に対し国民は不安と不信感を募らせている。一方、看護職員などの医療労働者の仕事と生活はますます過酷になっている。入院期間の短縮や医療の高度化により、看護師の業務量が増えているにもかかわらず、その増員は行われていない。諸外国と比較しても少ない配置人員のままでは、安全で行き届いた医療・看護を保障することはできない。このため、看護職員の労働条件を改善し、十分な看護体制を実現することが求められている。また、相次ぐ医療事故に対する防止策を抜本的に強化するための組織的なシステムづくりが緊急の課題となっていることから、医療事故に関する事例の収集及び調査を行い、対策を講ずる第三者機関の設置が求められている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、看護職員を大幅に増員し、安全で行き届いた看護体制を実現すること。
 1 病棟における看護職員配置基準は、患者二人に対し一人以上とすること。また、日勤においては患者四人に対し一人以上、夜勤においては患者十人に対し一人以上を確保すること。
 2 外来においては看護職員が一日に対応する患者数が二十人以内となるよう配置基準を引き上げること。
 3 右記の事項を実現するため特別の財政措置を講ずること。
二、夜勤・交替制勤務による心身への負担を考慮し、看護職員の労働条件を改善すること。
 1 夜勤は三交替制を基本とし、三人以上・月六日(当面八日)以内とすること。
 2 深夜・交替勤務に従事する看護職員については常日勤労働者より労働時間を短縮し、週三十二時間以内とすること。
 3 右記の事項を実現するため、看護師等の人材確保の促進に関する法律及びその基本指針等を改正するとともに、財政措置を具体化し、違反した場合の罰則規定を新設すること。
三、患者の状態を把握し安全で行き届いた医療を提供できるよう、病棟規模を当面四十床以下にすること。そのため医療機関の改築等に対する特別援助を制度化すること。
四、医療事故の調査・分析と防止対策を行う第三者機関として「医療事故防止委員会(仮称)」を設置し、その対策を抜本的に強化すること。

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