請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 930 件名 千曲川上流ダム建設計画撤回に関する請願
要旨  千曲川上流ダムは昭和三十九年に建設計画が示された。その後、昭和六十年度予算案で実施準備調査費として一億円が計上されたものの、地域住民の反対により撤回された。政府は現在でも千曲川上流ダムの建設を計画しているが、地域住民にとって同ダムの建設は被害ばかりで何らの利益ももたらさない。
 ついては、地域住民の存亡にかかわる重大問題である千曲川上流ダムの建設計画を早急に撤回されたい。

   理由
 千曲川上流ダムが建設されると、(一)約二百五十戸の家屋を始め、JR小海線や国道が水没する。取り分け、小海線はこれを契機に全線が廃線とされかねない。(二)ダムは飲料水の取水も目的としていることから、上流では農薬及び肥料の使用が規制され、農業生産が深刻な打撃を受ける。一方、ダムによって水がせき止められると、下流では八ヶ岳の硫黄岳から流れ出る強酸性の水の比率が高くなる。このため、この水を使用している流域の農業及び漁業に重大な影響を及ぼすことになる。(三)上流では、泰阜ダムや水内ダムの例が示すように、洪水時に河床が急上昇し、大水害が発生するおそれがある。一方、下流では、河床の低下により用水の取水口が使用できなくなるばかりでなく、洪水時にはゲート操作による異常放流が鉄砲水となって水害を発生させるとともに、支川からの多量の流水が対岸を崩壊させることになる。(四)ダムの湖畔は地盤が緩んでいることから、豪雨や地震による地滑りで土砂が流入すると、あふれ出た水が下流を直撃することになる。(資料添付)

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