請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 793 件名 学級人数の少人数化等を内容とする公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正に関する請願
要旨  現在、学校現場においては教育内容の改善や児童・生徒及び保護者の意識の多様化により、一人一人を大切にする教育が困難な状況となっている。学級崩壊・いじめ・不登校など様々な問題も山積しており、このような現状を改善し、我が国の将来を担う人間を育成することが切望されている。このような中、小中学校の学級編制について教育改革国民会議から「現行の四十人の学級定員を維持したまま教員を増員して、教科によっては学級の枠にとらわれない少人数指導を推進する」との報告がなされ、昨年より実施されている。しかし、前述の諸問題を解決するには生活の基盤である学級におけるきめ細やかな指導が重要であり、学級人数の見直しが必要であるが、学級人数の少人数化にはつながっていない。また、大規模校では教員の増員により、きめ細やかな学習活動が可能となる反面、小規模校では定数内での教員の引揚げが行われる中、加配教員の配置が困難となっている。さらに、少子化による学級数の減少に伴い教職員の新規採用者が激減していることから、実態に即した定数改善が行われなければ、職員構成のアンバランスが学校運営に支障を来すことは明らかであり、教職員の定数を増やすことは学校の活性化にもつながる。学級人数の少人数化は保護者及び教職員の願いであり、早期の実現が求められている。一方、山間部にある学校は、小規模校や複式校が多く、少子化と過疎化により児童数の減少が著しい。複式学級においては、授業形態の工夫により教育課程の完全実施を行っているものの、教科によっては指導が困難な場合があり、その組合せによっては児童の集中力を欠くことにもなる。単学級で授業を行うことは児童・生徒の不利益を解消することになり、そのための人員配置が望まれている。複式校や小規模校では少人数ならではの教育効果を上げてきたが、児童数減少に伴い、定数標準法(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律)の配置基準では教職員の引揚げが避けられない。これまでの特色ある教育活動を維持するためにも小規模校における教職員の配置に関する改善計画が早急に必要である。また、児童・生徒数が減少しても、単独の学校として存在する限り、学校運営に必要な最少人数ともいうべきものを定めるべきである。過疎化が進む山間僻地(へきち)において、学校が地域社会に果たす社会的役割は都市部とは比較にならないほど多大なものがあり、人も設備も充実している都市部に比べ、学校が地域の中心であるといっても過言ではない。このようなことからも、一つの学校に校長も含めて教職員が二〜三人という現状では、正常な学校運営はもとより地域社会に貢献するための教育活動も展開できない。大局的な見地から、山間僻地小規模校において失われつつある教育を維持するとともに、更なる教育の振興のため、教職員配置を見直すべきであり、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正が求められている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、学級編制基準を見直し、早期に学級人数の少人数化を図ること。
二、複式校・小規模校における教職員の人員配置の見直しを図ること。

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