請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 244 件名 大和都市管財株式会社による詐欺事件の被害者に対する救済等に関する請願
要旨  超低金利政策の下、老後の生活資金に不安を持つ高齢者は、法務局や財務局のお墨付きであるモーゲージ証書や抵当証券業登録を信用し、大和都市管財株式会社から安全かつ確実な貯蓄との説明を受け、抵当証券等を購入した。しかし、購入時には債務者及び担保物件等は全く知らされておらず、同社を信用した被害者の多くは抵当証券の償還を免れるための執拗(しつよう)かつ巧妙な勧誘に乗せられ他の商品に買い換えさせられているが、これらはすべて同社による預り金詐欺商法にほかならず、公平な救済が求められている。こうした中、同社は平成十三年四月に抵当証券業登録の更新が認められず破綻(はたん)し、被害者数一万七千人、被害総額千百十億円に上ることが明らかになった。抵当証券業の規制等に関する法律は多くの「モーゲージ商法」被害の温床となっていることに加え、抵当証券保管機構による不公平かつ不合理な解決スキームにより、被害者は混乱状態にある。同社による詐欺商法の実態は、司法の場でも解明されることとなったものの、被害者には高齢者が多いことから早期に被害救済がなされなければならない。また、平成九年の立入検査の結果、近畿財務局は同社が既に破綻状態にあることを把握しており、大阪府警も出資法違反容疑の捜査に着手していた。それにもかかわらず、複数の政治家の圧力によってこの問題が放置され、高齢者の老後の「命金(いのちがね)」を奪う深刻な大型詐欺被害を招いたのであれば、金融商品に対する信頼を根底から揺るがす大問題である。このため、国会において被害拡大を招いた真相を究明することが強く求められている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、老後の「命金」を大和都市管財にだまし取られた被害者に対し、既存の救済方法である木津信抵当証券・たくぎん抵当証券事件と同様にモーゲージ(抵当権)等を買い取るなど、行政支援による統一・公平・平等で高水準の包括的救済を早期に行うこと。
二、「平成の豊田商事事件」とも称される深刻な大型詐欺被害事件の真相を究明すること。
三、欠陥法である「抵当証券業規制法」を次のとおり抜本的に改正し、国民が安心して取引できる抵当証券取引システムを構築すること。
 1 モーゲージ証書形式による抵当証券売買方式を全廃又は抜本的に見直すこと。 
 2 抵当証券会社及び抵当証券について情報開示を徹底すること。
 3 抵当証券会社が破綻した際の購入者を保護する制度(一定限度額までは払い戻される「抵当証券保険制度」や受皿の役割を果たす抵当証券会社の認定とこれに対する事業譲渡・営業引継ぎや抵当証券会社の交代の新設等)の創設や処理スキームを早期に確立すること。
 4 抵当証券保管機構の解体又は機能の抜本的変革を行うこと。

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