請願

 

第153回国会 請願の要旨

新件番号 400 件名 助産婦の名称変更反対及び出産環境の改善に関する請願
要旨  我が国における出産の環境は、助産婦や助産院が十分活用されていないこともあるため、妊産婦にとって満足のいく状況とはなっていない。WHO(世界保健機構)においても女性の満足度などを理由として助産婦の活用を勧告していることから、この勧告にのっとり医療の過剰な介入をなくし、助産婦の十分な活用によりハイクオリティーかつローリスクの出産のケアを実現することが求められている。一方、助産婦の名称が助産師に変更されようとしているが、これは男性助産婦の導入につながるものと危惧(きぐ)されている。看護三職(看護婦・保健婦・助産婦)の名称が「師」に統一され、今後「看護師」に一本化することで開業助産婦が減少すれば、女性は病院での出産を余儀なくされるため、助産所や自宅において出産する権利を奪われることになる。
 ついては、出産の環境を改善するため、次の事項について実現を図られたい。

一、WHOの勧告を重視した助産婦の養成・活用を行うこと。
  医療の過剰な介入をなくし、妊産婦が安心できるサポートを安定して受けられるよう、質の高いケアを提供できる助産婦を養成し、活用すること。
二、質の高いケアの向上を目的とした助産婦教育を行うこと。
  現在の助産婦教育は、出産への医療の介入を前提としていることから、助産婦本来の技術を基本とした教育を行うことで助産婦教育のレベルアップを可能にすること。
三、経済的にも安心して出産できる環境を整備すること。
  医療の過剰な介入をなくし、医療機関においても低コストでの出産を可能にするとともに、救急時においてもできるだけ妊産婦の希望にそった処置が低コストで提供される制度を確立すること。
四、助産婦職の本質的変更につながることから、安易な名称の変更を行わないこと。
  助産師に名称を変更することで男性助産婦を導入したり、看護三職の「看護師」への一本化を進めたりすることで妊産婦の選択権を奪わないこと。

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