議案情報

平成25年5月22日現在 

第183回国会(常会)

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議案審議情報

件名 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件
種別 条約
提出回次 183回 提出番号 1

 

提出日 平成25年3月15日
衆議院から受領/提出日 平成25年4月23日
衆議院へ送付/提出日  
先議区分 衆先議
継続区分  

 

参議院委員会等経過
本付託日 平成25年5月15日
付託委員会等 外交防衛委員会
議決日 平成25年5月21日
議決・継続結果 承認

 

参議院本会議経過
議決日 平成25年5月22日
議決 承認
採決態様 全会一致
採決方法 押しボタン(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件の投票結果はこちら)

 

衆議院委員会等経過
本付託日 平成25年4月4日
付託委員会等 外務委員会
議決日 平成25年4月19日
議決・継続結果 承認

 

衆議院本会議経過
議決日 平成25年4月23日
議決 承認
採決態様 全会一致
採決方法 異議の有無

 

議案要旨
(外交防衛委員会)
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件(閣条第一号)(衆議院送付)要旨
 人の移動及び国際結婚の増加に伴い、一九七〇年代に入り、一方の親による子の連れ去り及び監護の権利をめぐる紛争の国際裁判管轄の問題が国際的な場で議論されるようになった。この条約は、監護の権利の侵害を伴う国境を越えた子の連れ去り等が生じた場合に原則として常居所を有していた国に子を迅速に返還するための国際協力の仕組み、国境を越えた親子の接触の実現のための協力等について定めるものであり、一九八〇年(昭和五十五年)十月に開催されたハーグ国際私法会議第十四回会期において採択され、一九八三年(昭和五十八年)十二月に効力を生じた。この条約は、前文、本文四十五箇条及び末文から成り、主な内容は、次のとおりである。
一、この条約は、いずれかの締約国に不法に連れ去られ、又はいずれかの締約国において不法に留置されている子の迅速な返還を確保すること並びに一の締約国の法令に基づく監護の権利及び接触の権利が他の締約国において効果的に尊重されることを確保することを目的とする。
二、子の連れ去り又は留置は、①連れ去り又は留置の直前に子が常居所を有していた国の法令に基づいて個人等が共同又は単独で有する監護の権利を侵害していること、②連れ去り若しくは留置の時に①の監護の権利が現実に行使されていたこと又は連れ去り若しくは留置がなかったならば当該権利が現実に行使されていたであろうこと、に該当する場合には、不法とする。
三、この条約は、監護の権利又は接触の権利が侵害される直前にいずれかの締約国に常居所を有していた子について適用する。この条約は、子が十六歳に達した場合には、適用しない。
四、締約国は、この条約により中央当局に対して課される義務を履行するため、中央当局を指定する。
五、中央当局は、子の迅速な返還を確保し、及びこの条約の他の目的を達成するため、相互に協力し、及びそれぞれの国内の当局間の協力を促進する。特に、中央当局は、直接に又は仲介者を通じて、子の所在の特定、子に対する更なる害悪の防止、子の任意の返還又は友好的な解決の促進、子の返還及び接触の権利の行使のための手続の開始についての便宜の供与、子の安全な返還の確保等のため、全ての適当な措置をとる。
六、監護の権利が侵害されて子が連れ去られ、又は留置されたと主張する個人等は、子の常居所の中央当局又は他の締約国の中央当局に対し、子の返還を確保するための援助の申請を行うことができる。
七、子が不法に連れ去られ、又は留置されている場合において、子が現に所在する締約国の司法当局又は行政当局が手続を開始した日において子の不法な連れ去り又は留置の日から一年が経過していないときは、司法当局又は行政当局は、直ちに子の返還を命ずる。司法当局又は行政当局は、一年経過後に手続を開始した場合においても、子が新たな環境に適応していることが証明されない限り、子の返還を命ずる。
八、司法当局又は行政当局は、子の返還に異議を申し立てる個人等が、①子を監護していた個人等が、連れ去り若しくは留置の時に現実に監護の権利を行使していなかったこと、連れ去り若しくは留置の時以前にこれに同意していたこと又は連れ去り若しくは留置の後にこれを黙認したこと、②返還することによって子が心身に害悪を受け、又は他の耐え難い状態に置かれることとなる重大な危険があること、のいずれかのことを証明する場合には、子の返還を命ずる義務を負わない。
九、司法当局又は行政当局は、①子が返還されることを拒み、かつ、その意見を考慮に入れることが適当である年齢及び成熟度に達していると認める場合、②自国における人権及び基本的自由の保護に関する基本原則により認められないものである場合には、子の返還を命ずることを拒むことができる。
十、子が自国に連れ去られ、又は自国において留置されている締約国の司法当局又は行政当局は、子が不法に連れ去られ、又は留置されている旨の通知の受領後は、監護の権利についての本案の決定を行わない。
十一、この条約に基づく子の返還に関する決定は、監護の権利についての本案の判断としてはならない。
十二、接触の権利の効果的な行使を確保するように取り計らうことを求める申請は、締約国の中央当局に対して、子の返還を求める申請と同様の方法によって行うことができる。中央当局は、接触の権利が平穏に享受されること及び接触の権利の行使に当たり従うべき条件が満たされることを促進するため、前記五に定める協力の義務を負う。
十三、中央当局その他締約国の公の当局は、申請に係るいかなる手数料も徴収してはならない。ただし、締約国は、弁護士その他法律に関する助言者の参加 又は裁判所における手続により生ずる費用を自国の法律に関する援助及び助言に係る制度によって負担することができる場合を除くほか負担する義務を負わない旨を宣言することができる。(我が国は、本項の規定に基づく宣言を行う予定である。)
十四、この条約は、締約国間において、この条約が当該締約国について効力を生じた後に行われた不法な連れ去り又は留置についてのみ適用する。
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