議案情報

平成16年5月28日現在 

第159回国会(常会)

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議案審議情報

件名 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案
種別 法律案(内閣提出)
提出回次 159回 提出番号 68

 

提出日 平成16年3月2日
衆議院から受領/提出日 平成16年4月23日
衆議院へ送付/提出日  
先議区分 衆先議
継続区分  

 

参議院委員会等経過
本付託日 平成16年5月10日
付託委員会等 法務委員会
議決日 平成16年5月20日
議決・継続結果 可決

 

参議院本会議経過
議決日 平成16年5月21日
議決 可決
採決態様 多数
採決方法 押しボタン(刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の投票結果はこちら)

 

衆議院委員会等経過
本付託日 平成16年3月16日
付託委員会等 法務委員会
議決日 平成16年4月23日
議決・継続結果 修正

 

衆議院本会議経過
議決日 平成16年4月23日
議決 修正
採決態様 多数
採決方法 起立

 

その他
公布年月日 平成16年5月28日
法律番号 62

 

議案要旨
(法務委員会)
   刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(閣法第六八号)(衆議院送付)要旨
 本法律案は、刑事裁判の充実及び迅速化を図るための方策として、充実した争点整理のための新たな準備手続の創設及び証拠開示の拡充、連日的開廷の確保のための規定の整備等を行うとともに、被疑者に対する国選弁護人の選任制度の導入等国選弁護人制度の整備、検察審査会の一定の議決に基づき公訴が提起される制度の導入等のため、所要の規定を整備しようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
第一 刑事訴訟法の一部改正
 一、刑事裁判の充実・迅速化を図るための諸方策の導入
  1 公判前整理手続等の創設
    裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、第一回公判期日前に公判前整理手続を、また、第一回公判期日後に期日間整理手続をそれぞれ行うことができる。
    検察官、弁護人又は被告人は、公判期日において証拠により証明しようとする事実を明らかにして、証拠の取調べを請求しなければならない。裁判所は、事件の争点及び証拠の整理の結果を確認しなければならない。
    公判前整理手続又は期日間整理手続が終わった後には、原則として、証拠調べを請求することができない。
  2 証拠開示の拡充・ルールの明確化
    検察官は、被告人又は弁護人に、検察官請求証拠の開示に加え、特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要な一定類型の証拠及び被告人又は弁護人の主張に関連する証拠について、開示の必要性の程度と弊害の内容及び程度を考慮し、速やかに開示しなければならない。
    裁判所は、開示をすべき証拠を開示していないと認めるときは、証拠の開示を命じなければならない。
    被告人及び弁護人は、開示された証拠の複製その他その内容の全部又は一部をそのまま記録した    物又は書面を当該被告事件の審理の準備以外の目的で使用してはならない。これに違反した場合、    一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 ただし、被告人の防御権を踏まえ、複製等の内容、行為の目的及び態様、関係人の名誉等の事情を考慮する。
  3 裁判所は、できる限り、連日開廷しなければならない。
  4 裁判所は、出頭命令等に従わない検察官又は弁護人に対し、過料の制裁を科すことなどができる。  5 即決裁判手続の創設
    事案が明白で軽微な一定の事件について、被疑者の同意があるときは、即決裁判手続によることができる。即決裁判手続においては、簡易な方法で証拠調べをして、できる限り、即日判決の言渡しをしなければならない。
   即決裁判手続において懲役又は禁錮の言渡しをする場合には刑の執行猶予の言渡しをしなければならず、また、罪となるべき事実の誤認を理由とする控訴はできない。
 二、公的弁護制度の整備
  1 被疑者に対する公的弁護制度の導入
    死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件について、被疑者が勾留され、 貧困等の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、被疑者のため弁護人を付さ   なければならない。
ただし、改正法施行後、三年程度を経過した後は、死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件を対象とする。
  2 弁護人の選任要件及び選任手続の整備
    弁護人選任の請求をする被疑者は、資力申告書を提出しなければならない。基準額以上の資力がある被疑者については、私選弁護人選任の申出を行ったが、弁護人となろうとする者がいなかったことなどを国選弁護人選任の要件とする。
 任意的弁護事件の場合の被告人についても、被疑者の場合に準じ、資力申告書の提出を義務付けるなど、選任要件及び選任手続を整備する。
第二 少年法の一部改正
  国選弁護人が付された少年の被疑者が、家庭裁判所に送致されたときには、その弁護人選任について効 力を失う。
第三 検察審査会法の一部改正
 一、検察審査会制度の議決に対するいわゆる法的拘束力の付与
  1 検察審査会が起訴相当の議決をした後、検察官が再考をしても不起訴処分を維持したときは、検察審査会は、再審査を行い、起訴をすべき旨の議決をすることができる。
  2 裁判所から指定された弁護士が、起訴をすべき旨の議決に従って、公訴の提起及びその維持に当たる。
二、検察審査会の審査を充実させるための措置
   検察審査会は、法律に関する専門的な知見を補うため、弁護士の中から事件ごと に審査補助員を委嘱することができる。 
三、罰則
1 検察審査員等が召集に応じないとき又は宣誓を拒んだときは、十万円以下の過料に処する。
  2 検察審査員等又は検察審査員等の職にあった者が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏ら したときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。ただし、検察審査員等の職にあった 者が、財産上の利益を得る目的がなく評議の秘密を漏らした場合には、五十万円以下の罰金に処する。
3 検察審査員等に対し、威迫の行為をした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
4 検察審査員に不正の請託をした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第四 施行期日
  この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日か ら施行する。
なお、本法律案は、衆議院において、開示された証拠の目的外使用の禁止の規定に違反した場合の措置について、被告人の防御権を踏まえ、複製等の内容、行為の目的及び態様、関係人の名誉等の事情を考慮する旨の規定の追加、検察審査員等又は検察審査員等の職にあった者が守秘義務に違反し、評議の秘密や職務上知り得た秘密を漏らした場合の罰則について、懲役刑を「一年以下の懲役」から「六月以下の懲役」ヘ引下げ等の修正が行われた。
議案要旨のPDFファイルを見る場合は、こちらでご覧いただけます。

 

議案等のファイル
提出法律案のPDFファイルは、こちらでご覧いただけます。
衆議院法務委員会の修正案(可決)のPDFファイルは、こちらでご覧いただけます。
参議院法務委員会の修正案(共産・否決)のPDFファイルは、こちらでご覧いただけます。
成立法律のPDFファイルは、こちらでご覧いただけます。
関連資料(提案理由、各院委員長報告、附帯決議)のPDFファイルは、こちらでご覧いただけます。