議案情報

平成14年6月12日現在 

第154回国会(常会)

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議案審議情報

件名 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件
種別 条約
提出回次 154回 提出番号 10

 

提出日 平成14年3月12日
衆議院から受領/提出日 平成14年5月30日
衆議院へ送付/提出日  
先議区分 衆先議
継続区分  

 

参議院委員会等経過
本付託日 平成14年6月5日
付託委員会等 外交防衛委員会
議決日 平成14年6月11日
議決・継続結果 承認

 

参議院本会議経過
議決日 平成14年6月12日
議決 承認
採決態様 全会一致
採決方法 押しボタン(実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件の投票結果はこちら)

 

衆議院委員会等経過
本付託日 平成14年5月28日
付託委員会等 外務委員会
議決日 平成14年5月29日
議決・継続結果 承認

 

衆議院本会議経過
議決日 平成14年5月30日
議決 承認
採決態様 全会一致
採決方法 異議の有無

 

議案要旨
(外交防衛委員会)
   実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件(閣条第 一〇号)(衆議院送付)要旨
 実演家及びレコード(カセット・テープ、CD、MD等を含むが、ビデオ、DVD等音が影像とともに固定されたものは含まない。以下同じ。)製作者の権利といった著作隣接権の国際的保護を図る基本条約には、一九六一年(昭和三十六年)に作成された「実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約」(以下「ローマ条約」という。)があり、我が国は同条約を一九八九年(平成元年)に締結した。
この条約は、近年、ネットワーク化及びデジタル化を始めとする情報関連技術の発達に伴い、インターネットを通じて音楽データ等が世界中で容易に送受信されるようになり、また、レコード等の完全な複製が容易に作成されるようになった状況に対応し、国際的な著作隣接権の保護システムの改善を図ることを目的として、一九九六年(平成八年)十二月にジュネーヴで開催された外交会議において採択され、本年五月に効力を生じたものであり、ローマ条約とは独立した別個の条約である。この条約は、前文及び本文三十三箇条から成り、主な内容は次のとおりである。
一、この条約は、他の条約といかなる関係も有するものではなく、また、他の条約に基づくいかなる権利及び義務に影響を及ぼすものでもない。
二、締約国は、他の締約国の国民である実演家及びレコード製作者に対して、この条約に定める保護を与える。「他の締約国の国民」である実演家又はレコード製作者であるか否かは、ローマ条約に定める保護の適格性の基準を準用することにより判断する。締約国は、ローマ条約に定める保護の適格性の基準のうち、固定の基準又は発行の基準のいずれかを適用しないこと等の宣言をすることができる。(我が国は、保護の対象となる他の締約国のレコード製作者の範囲の決定に際しては、発行の基準を適用しないことについて宣言を行う予定である。)
三、各締約国は、この条約において特に与えられる排他的権利及び後記七、の報酬請求権に関して自国民に与える待遇を他の締約国の国民に与える。
四、実演家は、現に行っている実演(音に関する部分に限る。)及びレコードに固定された実演に関して、これらの実演に係る実演家であることを主張する権利及びこれらの実演の変更等により自己の声望を害するおそれのあるものに対して異議を申し立てる権利を保有する。
五、実演家は、固定されていない実演の放送又は有線放送及び固定を許諾する排他的権利を享有する。
六、実演家及びレコード製作者は、それぞれ、レコードに固定されたその実演又はそのレコードについて、複製、販売その他の譲渡、公衆への商業的貸与及びインターネットへのアップロードを許諾する排他的権利を享有する。
七、実演家及びレコード製作者は、商業上の目的のために発行されたレコードを放送又は公衆への伝達(有線放送等)のために利用することについて、単一の衡平な報酬を請求する権利を享有する。いずれの締約国も、この権利の適用を制限すること又は適用しないことを宣言することができる。インターネット上にアップロードされたレコードは、商業上の目的のために発行されたものとみなす。(我が国は、①実演家及びレコード製作者は、放送及び有線放送において商業用レコードが直接利用される場合にのみ報酬請求権を享有すること、②留保を付している国の国民をレコード製作者とするレコードについては、報酬請求権を当該留保の範囲に制限して適用すること、③インターネット上にアップロードされたレコードについては、報酬請求権の対象としないことについて宣言を行う予定である。)
八、実演家に与えられる保護期間は、実演がレコードに固定された年の終わりから少なくとも五十年とし、レコード製作者に与えられる保護期間は、レコードが発行された年の終わりから(レコードへの固定後五十年以内に発行されなかった場合には固定が行われた年の終わりから)少なくとも五十年とする。
九、締約国は、この条約に基づく実演家又はレコード製作者の権利の侵害を抑制するために実演家又はレコード製作者が用いる技術的手段(コピー・プロテクション等)が回避されることを防止するため、適当な法的保護及び効果的な法的救済について定める。
十、締約国は、この条約が対象とする権利の侵害につながることを知りながら、権限なく、故意に電磁的な権利管理情報(実演、実演家、レコード、レコード製作者又は実演若しくはレコードの利用条件等を特定する情報であって、固定された実演又はレコードの複製物に付されるもの等)を除去し又は改変する行為等に対し、適当かつ効果的な法的救済について定める。
十一、締約国は、その総会を 設置し、総会は、二年に一回、通常会期として会合する。この条約の管理業務は、世界知的所有権機関国際事務局が行う。
十二、この条約は、この条約の発効後に批准書又は加入書を世界知的所有権機関事務局長に寄託した国については、寄託の日から三箇月の期間が満了した日に効力を生ずる。
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