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【災害対策特別委員会】

(1)審議概観

 第134回国会において本特別委員会に付託された法案は、内閣提出に係る災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案1件であり、成立した。
 また、国政調査を行った。
 請願は、2種類15件について審査を行い、いずれも保留となった。
 なお、雲仙・普賢岳火山災害対策について調査検討するため、小委員会を設置した。

〔法律案の審査〕
 災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案は、本年1月17日の阪神・淡路大震災による教訓を踏まえたものであり、3月28日に、自然災害に対応した国、地方公共団体等による防災体制の在り方について検討するため設置された防災問題懇談会の提言に沿ってまとめられたものである。
 その内容は、近年の災害発生の状況等にかんがみ、災害対策の強化を図るため、災害対策のための組織を充実し、緊急災害対策本部長等の権限を強化し、警戒区域の設定等災害応急対策のため必要な権限を災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官に付与する等所要の措置を講じようとするものである。
 本案は、衆議院において修正議決の上、本院に送付された。
 本院では、まず、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた。
 委員会では、趣旨説明を池端国土庁長官から、衆議院における修正部分の説明を衆議院災害対策特別委員会理事小坂憲次君から、それぞれ聴取し、質疑の後、全会一致をもって可決された。なお、附帯決議が付された。

〔国政調査等〕
 12月13日、調査を行い、雲仙・普賢岳噴火災害に対する今後の対策、震度問題検討委員会による震度情報についての検討結果、国道148号線及びJR大糸線の復旧、兵庫県における医療費一部負担金の免除の延長、災害対策本部の設置基準、災害時の危機管理体制、被災分譲マンションの修復の方法等について質疑が行われた。
 また、阪神・淡路大震災の災害復旧については、政府から、国としても努力しているところだが、発災1年を機に、総括を行いたい旨の答弁があった。
 なお、第133回国会閉会後の9月6日、長野県における平成7年7月梅雨前線豪雨による被害状況等の実情調査のため、視察を行った。

(2)委員会経過

○平成7年9月29日(金)(第1回)
 ○特別委員長を選任した後、理事を選任した。

○平成7年11月10日(金)(第2回)
 ○雲仙・普賢岳火山災害対策小委員会を設置することを決定した後、小委員及び小委員長を選任した。
   なお、小委員及び小委員長の変更の件並びに小委員会における参考人の出席要求の件については委員長に一任することに決定した。
 ○災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第15号)(衆議院送付)について池端国土庁長官から趣旨説明を、衆議院における修正部分について修正案提出者衆議院議員小坂憲次君から説明を聴いた後、同住博司君、同小坂憲次君、池端国土庁長官、政府委員、建設省、消防庁及び防衛庁当局に対し質疑を行った。

○平成7年12月1日(金)(第3回)
 ○災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第15号)(衆議院送付)について村山内閣総理大臣及び政府委員に対し質疑を行った後、可決した。
  (閣法第15号)  賛成会派 自民、平成、社会、共産、参フ
           反対会派 なし
   なお、附帯決議を行った。

○平成7年12月13日(水)(第4回)
 ○参考人の出席を求めることを決定した。
 ○雲仙・普賢岳火山災害対策に関する件、阪神・淡路大震災復旧・復興対策に関する件、平成7年7月梅雨前線豪雨災害の復旧対策に関する件、防災体制の整備に関する件等について池端国土庁長官、政府委員、建設省、農林水産省、気象庁、厚生省、運輸省、自治省、防衛庁、科学技術庁、法務省、文部省当局及び参考人西日本旅客鉄道株式会社常務取締役鉄道本部長梅原利之君に対し質疑を行った。
 ○請願第8号外14件を審査した。
 ○災害対策樹立に関する調査の継続調査要求書を提出することを決定した。
 ○閉会中における委員派遣については委員長に一任することに決定した。

(3)付託議案審議表

・内閣提出法律案(1件)

件名

提出月日 参議院 衆議院
委員会
付 託
委員会
議 決
本会議
議 決
委員会
付 託
委員会
議 決
本会議
議 決
15 災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案 7.10.13 7.11.10 7.12.1
可  決
附帯決議
7.12.1
可 決
7.10.20 7.11.7
修  正
附帯決議
7.11.9
修 正
○7.11.10 参本会議趣旨説明 ○7.10.20 衆本会議趣旨説明

・衆議院議員提出法律案(1件)

件名 提 出 者
(月 日)
予備送付
月  日
本院への
提出月日
参議院 衆議院
委員会
付 託
委員会
議 決
本会議
議 決
委員会
付 託
委員会
議 決
本会議
議 決
3 災害対策基本法の一部を改正する法律案 加藤  六月君
外29名
(7.10.6)
7.10.9   7.11.10
(予備)
    7.10.20 未了
○7.10.20 衆本会議趣旨説明

(4)成立議案の要旨・附帯決議

災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第15号)
【要 旨】
 本法律案は、近年の災害発生の状況等にかんがみ、災害対策の強化を図るため、災害対策のための組織を充実し、緊急災害対策本部長等の権限を強化し、警戒区域の設定等災害応急対策のため必要な権限を災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官に付与する等所要の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
1 緊急災害対策本部の設置及び組織の充実
(1)著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、災害緊急事態の布告がなくても、内閣総理大臣が緊急災害対策本部を設置することができることとする。
(2)緊急災害対策本部長に内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)を、副本部長に国務大臣を、本部員にそれ以外のすべての国務大臣を充てることとする。
2 緊急災害対策本部長の権限の強化
  緊急災害対策本部長が災害応急対策に関して指示を行うことができる対象に、指定行政機関の長等を加える。
3 現地対策本部の設置
  被災現地において機動的かつ迅速に災害応急対策の推進を図るため、緊急災害対策本部、非常災害対策本部、都道府県又は市町村の災害対策本部に、現地対策本部を置くことができることとする。
4 被害状況等の報告
(1)市町村が被害状況等の報告をする際における報告先を、都道府県に報告ができない場合にあっては、内閣総理大臣とすることとする。
(2)内閣総理大臣は、市町村、都道府県、指定公共機関の代表者又は指定行政機関の長から被害状況等の報告を受けたときは、当該報告に係る事項を中央防災会議に通報することとする。
5 都道府県知事による避難の指示等の代行
  災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったときは、都道府県知事が避難のための立退きの勧告及び指示に関する措置の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならないこととする。
6 災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官への権限の付与
  災害派遣された部隊等の自衛官は、市町村長等、警察官及び海上保安官がその場にいない場合に限り、@人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときに、警戒区域を設定し、当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずること、A応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときに、土地若しくは建物その他の工作物の一時使用又は物件の使用若しくは収用をすること、現場の災害を受けた工作物等の除去その他必要な措置をとること及び住民又は応急措置を実施すべき現場にある者を当該応急措置の業務に従事させることができることとする。
7 新たな防災上の課題への対応
  阪神・淡路大震災において新たな防災上の課題として認識された事項に対応するため、国及び地方公共団体は、自主防災組織の育成、ボランティアによる防災活動の環境の整備その他国民の自発的な防災活動の促進に関する事項、高齢者、障害者等特に配慮を要する者に対する防災上必要な措置に関する事項及び海外からの防災に関する支援の受入れに関する事項の実施に努めなければならないものとする。
8 地方公共団体相互の応援
(1)地方公共団体は、防災上の責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければならないこととする。
(2)国及び地方公共団体は、地方公共団体の相互応援に関する協定の締結に関する事項の実施に努めなければならないものとする。
9 その他
  大規模地震対策特別措置法について災害対策基本法の改正に合わせた改正を行う等所要の改正を行うこととする。
 なお、本法律案は、衆議院において、住民の責務の例示の追加、防災上の配慮に関する規定の追加、非常災害対策本部の設置要件の緩和、緊急災害対策本部員の追加、自衛隊の災害派遣要請に係る市町村長の要求及び通知、災害緊急事態における海外支援受入れに必要な政令の制定等について修正が行われている。
【附帯決議】
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
1 災害発生時の国の適切な初動対応を確保するため、情報収集体制を強化し、夜間の災害発生にも対処しうる体制の整備に努めること。
2 国及び都道府県は、市町村長が警戒区域の設定等の応急措置を円滑に行うことができるよう、経費等の必要かつ適切な支援を行うよう努めること。
3 非常災害対策本部及び緊急災害対策本部の設置に当たっては、災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため、当該災害の規模その他の状況に応じる設置基準について早急に検討を行うこと。
4 活動火山周辺地域など2以上の市町村の区域にわたり、警戒区域を設定しなければならない災害が生じるおそれのある地方公共団体においては、必要に応じ、あらかじめ相互応援協定を締結する等により協力体制の整備、充実に努めること。
5 非常災害時において、中央防災会議の委員に対する情報連絡体制を整備するとともに、中央防災会議と緊急災害対策本部等との連携を保ちつつ、実効ある緊急措置を円滑に行うよう努めること。
6 自衛隊による災害応急対策を円滑に行うため、災害派遣を命ぜられた自衛隊の活動に伴う負担については、財政的にも所要の配慮を行うよう努めること。
7 国及び地方公共団体は、大規模災害による被災者等を支援するため、全国地方公共団体等が拠出する災害相互支援基金の制度の創設について、早急に検討を行うこと。
8 国及び地方公共団体は、自主防災組織、警察、消防、自衛隊、ボランティア等が一体となった、より実践的な防災訓練を行うとともに、住民の防災意識の普及、啓発に努めること。
 右決議する。

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