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本会議決議

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 政策評価制度に関する決議

平成27年7月8日

参議院本会議

政府は、平成十三年の中央省庁等改革を機に、政策評価制度を全政府的に導入し、平成十四年からは、行政機関が行う政策の評価に関する法律、いわゆる政策評価法を施行するとともに、平成十七年には、同法に基づく施行後三年の見直しを行っている。

このような政策評価制度の歩みにあわせ、参議院改革の一環として創設された行政監視委員会及び本会議においては、平成十五年及び平成十七年に、それぞれ決議を行ったところである。

本年は、平成十七年の政策評価法見直しから十年が経過するとともに、独立行政法人通則法の改正に伴い、政策評価と独立行政法人評価について、それぞれ独立した審議体制が発足したほか、地方創生推進の観点から、地方公共団体はPDCAサイクルの整備が求められている。

また、国際連合の評価グループなどが、本年を、評価と証拠に基づく政策形成を提唱する「国際評価年」 として指定し、昨年十二月の国連総会でも、国単位での評価能力の向上についての決議が行われている。

このような状況を踏まえ、政府においては、国民目線に立って、行政について不断の見直しを行うとともに、国民への説明責任を果たす観点から、今後とも、政策評価制度の実効性を高め、国民の行政への信頼向上を図るため、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。

一、政策評価の結果を政策に十分反映するためには、時宜に適した政策評価の実施と的確な政策効果の把握が重要であることに鑑み、事後評価においては、適切な目標設定と達成手段を事前に明示し、数値や明確な根拠に基づく評価を実施するとともに、事前評価においては、政策の効果と政策費用の的確な把握を徹底するよう、最大限努めること。なお、政策効果の把握のため、政策目標や測定指標に影響を与える様々な要因について、踏み込んだ分析をするよう十分配意すること。

二、目標管理型の政策評価については、目標の適切な設定が評価の良否を左右することから、各府省は、適切な目標設定の下で意義ある評価が行われるよう、事前分析表の作成段階において設定される目標や測定指標の改善を図ること。なお、測定指標については、国民生活及び社会経済に及ぼす影響を客観的・定量的に示すことができるよう、更なる開発・設定に努めること。

三、PDCAサイクルを通じた行政運営の向上、説明責任の徹底の観点から、政策評価と行政事業レビューとの役割分担、有機的連携を一層強化することにより、メリハリのある分かり易い政策評価を推進するとともに、事務事業レベルまで含めた政策の体系化、一覧性の確保をさらに推進すること。

四、主要な評価方式である総合評価については、政策体系のより上位の政策等の評価に用いることが想定されており、制度改善など政策の大幅な見直しへの活用が期待されることから、評価手法の開発や外部シンクタンクの活用などの改善方策を検討し、一層の活用を図ること。

五、総務省が担う総合性・統一性確保評価については、府省横断的政策の評価という極めて重要な役割を果たしていることから、適切なテーマの選定、量的拡大、実施体制の強化、外部シンクタンクの活用などにより、その充実・強化を図ること。

六、総務省の客観性担保評価活動については、政策評価制度全体の質の向上に大きな役割を果たすことが期待されており、今後とも、政策評価法第十二条及び政策評価に関する基本方針の趣旨を十分勘案し、一段の見直し・改善に努めること。

七、地方創生推進諸施策の実施に当たっては、従来の関連諸施策の十分な検証が不可欠であることから、総務省は、政府内における第三者的な評価専担組織の立場から、地方公共団体における中心市街地活性化、地域再生、都市再生などの地域活性化策の実施状況、効果の発現状況、国の支援施策の活用状況等について、早期に調査・検証を行うこと。

八、政策評価推進機能を担う総務省においては、地方人口ビジョンや地方版総合戦略の策定等を行う地方公共団体がPDCAサイクルを十分活用できるよう、国の関係部局及び地方公共団体への評価手法等の情報提供等の支援に努めること。

右決議する。

(松村祥史君外十六名発議)