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国益がぶつかり合う政府間会議、一個人が主体となる民間団体主催の会議等、国際会議にもいろいろありますが、各国の議員が議会を代表して集う国際会議も毎年世界各地で開催されています。
このような議員間の国際会議を開く主な目的は、各国に共通する政策課題に関する議論、そして議員間交流の促進を通じて、議会レベルで国家間の信頼・協力関係を強化することです。参議院においてもこうした意義を考慮し、政府間機構に対応する議員間国際会議等、日本国会を代表しての参加がふさわしいものには議員を派遣しています。現在、IPU(Inter-Parliamentary Union:列国議会同盟)会議、WTOに関する議員会議、欧州評議会議員会議・OECD活動拡大討議、日本・EU議員会議、AIPA(ASEAN Inter-Parliamentary Assembly:東南アジア諸国連合議員会議)総会、APPF(Asia Pacific Parliamentary Forum:アジア・太平洋議員フォーラム)総会、ASEP(Asia-Europe Parliamentary Partnership Meetings:アジア欧州議員会議)、日中議員会議、日本・米国議員会議等に公式派遣を行っています。
そのうちの一つ、「AIPO※総会」を例に実際の会議の模様を紹介します。AIPOは、東南アジア各国の政府間機構である東南アジア諸国連合(ASEAN)の議会版とも言えるもので、議会間の協力を強化し、地域の安定に貢献するために活動しています。加盟国は、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ラオスの8か国で、特別オブザーバー国としてブルネイとミャンマーが参加しています。日本はAIPOに加盟してはいませんが、ASEANと密接な関係を有することから、年に1度開催される総会に中国、韓国等と共にオブザーバーとして毎回招待されています。平成18年(2006年)にはフィリピンで27回目の総会が開催され、日本からも参議院議員2名が代表として参加し、「全体会議」及び「AIPOとの対話」といった会議に出席しました。
参加した各国議員全員が出席する「全体会議」では、各国代表が演説を行い、アジアや世界が直面する諸問題について政府等の対応を検討し、見解を述べます。第27回総会において、日本は、日本・ASEAN間のこれまでの協力関係を再確認しつつ、東アジアの平和と安定のために両者の政治的、経済的連携を更に深めていく必要性を強調しました。
「AIPOとの対話」は、日本、AIPO加盟国両者の代表による少人数の討議の場です。この対話は、政治、経済、社会の各分野で設定された議題ごとに自国の現状を述べ、それに対し質疑を行う形で進められます。日本にとっては自らの見解を主張するとともに、ASEAN域内において、民意を反映する立場にある議員が政策課題をどのようにとらえているか等、各国の視点に直接触れる格好の機会です。今回議題の一つとなったマラッカ海峡の航行安全確保では、日本側から、海賊問題は日本の海上輸送のみならず、アジア地域全体の社会安定と経済発展に大きな脅威となっていると指摘し、関係国間の情報共有体制の整備及び海上保安機関間の協力強化を要請しました。これに対しAIPO加盟国側からは、マラッカ海峡における海上武装強盗等の警戒のため、平成16年(2004年)に湾岸関係諸国による合同パトロールを開始した結果、海賊事件発生数は減少傾向にあるが、マレーシアなど海岸線が数百キロに及ぶ国もあり、その保安には膨大な資金・人的資源が必要となることも理解してほしいとの発言がなされ、最終的には、各国協力網の構築のため引き続き努力していくことで意見が一致しました。
世界の様々な国や地域を代表する議員が集まる国際会議では、議題となった政策課題に対してそれぞれの民意を反映した主張がなされるため、意見が一致することもあれば、ぶつかり合うこともあります。しかし、このように率直かつ真摯な議論が行われるからこそ、互いの立場への理解と政策課題についての共通認識を深めることができ、ひいては国や地域を越えた協力関係を強化していく助けとなります。
また、国際会議の開催期間中には、議論の場だけではなくレセプション等の自由な交流の機会も持たれ、日本の議員も各国議員と積極的に懇談し、交友関係を広げています。
以上のように国際会議は、議員ならではの議論や活発な交流によって、相互の信頼関係を築く場となっています。
※現在はAIPA(以下同じ)。