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年頭所感

参議院議長 西岡武夫

議長の写真謹賀新年

 参議院議長として、私は、初めての新年を迎えました。
 しかし、恒例の新年のご挨拶を単純に申し上げることに、空虚な思いを感じます。
 それは、正に、政治の責任を痛感するからです。

 ここ十数年来、心の底から、新春を慶び、輝かしい未来を信じ、特に、子供達や若者、そして全ての世代を通じて、活き活きと新年を迎えられた方々は、決して多くはなかったかもしれません。
 同時に、農林水産業、中小零細企業、観光業、中小建設業を始め、極く一部の方々以外の多くの皆さんは、不安なお気持ちで新年を迎えられたことと思います。
私は、申し訳ない気持ちで一杯です。
 皆様が、新年を迎えられ、将来に希望を持たれ、今日よりも明日、今月よりも来月、今年よりも来年がより良き年になる、という実感が、いま、日本に一番大切なことです。
 私ども参議院は、与党も野党も、立法府として、出来うる限りの努力を傾注することを、お約束いたします。

 また、参議院にとって、待ったなしの課題は、一票の格差問題です。
各地の高裁は、一票の格差の現状(1対5)は、「違憲状態」との判決を出しています。
裁判所によっては、選挙制度の改正の必要性に触れています。
 次回の参議院通常選挙(二年半後)の選挙結果で、万一、 選挙無効の判決が出たとすれば、立法府は、大混乱に陥ります。

 私は、議長就任以来、このことを、参議院が直面する最重要課題として、昨年の八月以来、各方面のご意見を承ってきました。
そうして、既に設置している、参議院の各会派の会長、 代表者による「選挙制度の改革に関する検討会」に、「議 長の叩き台」として、昨年十二月二十二日に、選挙制度 の具体的方向性をお示ししました。
 今後、各党会派の方々と力を合わせ、今年の通常国会が終わるまでに、立法化を目指します。
そうして、平成二十五年の参議院選挙では、新しい選挙制度の下で、選挙が実施されるよう全力を尽くします。

 内政、外交ともに、日本は、多事多難です。
 これらの難問に、立法府の一翼を担う立場から、審議を通じ、時には、積極的に「意見を発信する参議院」を目指すことによって、責任を全うする決意です。

 何卒、ご助言、ご叱正を賜りたく、お願い申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

参議院議長「西岡 武夫」(議長の署名)